第27話 オーディションで話題作り
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「オーディション会場はこちらです~」
「押さないでください!押さないでください!」
「必ず参加引換券をお持ちください!」
第1回オーディションの第一次選考会を開くと掲示したこの市民講堂に想定以上の人が集まり、会場案内や整理のためのスタッフがてんてこ舞いになっていた。
「いやあ、すごい人の集まりですな」
オースティン商会の会頭ゼブル・オースティンが講堂に集まった女性たちを見る。
「この中から優勝者1名を決めるのは大変ですぞ?」
笑いながら戸隠新太がゼブルに伝える。
そうなのだ、優勝者はたったの1名。これだけの数の応募者から1名に絞る。なかなかな重労働だ。
一次選考では挨拶で始まり、名前、年齢、職業、特技を説明してもらう。この選考はわずか30秒にも満たない。この中で合格を勝ち取ったものだけ別日の二次選考で踊りと歌のオーディションを受けられる。最終選考の面接を経て、優勝者の発表となる。
「どのように判定すればよろしいので?」
「見た目、スタイル、声が綺麗かどうか、挨拶の時の笑顔、これだけを見て下さい。いいと思えば〇。ダメだと思えば×。私とドーラとゼブル殿の3名のうち、2名の〇が揃えば合格です。私は厳し目に判定しますので、ゼブル殿は自分の思うままにつけてもらっていいですよ。ドーラはさらに判定が厳しいですから」
笑ってゼブルに伝える新太。
「ただ、一人だけ確実に通過させなければならない人物がおりますがね」
新太がニヤリと悪い笑顔を見せる。
そしてゼブルにピラッと1枚の申込書を見せる。
「・・・リーンハート・フォン・エーデルバーグ伯爵令嬢・・・」
まさかの上級貴族である伯爵令嬢が応募してきたのだ。
「とんでもない人物が応募してきましたな・・・」
「だが、これほど話題性のある人物も居りますまい。後は最終選考の面接で彼女の応募動機や活動へのやる気を確認すればいい。まあ、完全に優勝候補ですね」
新太は完全に決め打ちするように言った。
「・・・他の女性たちは選ばないので?」
「そうではありません。一般女性からもちろんダイヤの原石が見つかるかもしれません。選考はしっかり見ます。ですが、最初からダイヤが光っているのであればそれを見逃す必要はありませんよ」
「・・・確かに」
「それに、大勢の参加者の中から、栄えある優勝に選ばれるのが価値のある事なのです。分母たる参加者が多ければ多いほど優勝者の価値も上がるということですよ」
「なるほど・・・」
新太の説明に感心するゼブル。
「とにかくどんどん一次選考を済ませて行きましょう」
新太の言葉にオーディションがスタートした。
「お願いします! リナと言います! 17歳です! 宿屋で働いでます! 歌と踊りが得意です!」
「おはよーございまーす、セディアでぇす~。26歳のぴちぴちでぇす~、夜のお店で働いてま~す。夜伽が得意でぇす」
「こんばんみー! マヤちんでっす! 21歳でっす! 冒険者やってまーす! 踊りじゃなくて囮が得意でーす!てへぺろ」
・・・なかなか濃いキャラもいるみたいだな。素朴な村娘的な子から、擦れた夜の蝶まで、千差万別だ。
あれ?年齢制限25歳までじゃなかったっけ?
そしてついに大本命が登場する。
「よろしくお願い致しますわ。私はリーンハート・フォン・エーデルバーグと申します。今年で16になりました。エーデルバーグ伯爵家長女になりますわ。特技は舞踏会のダンスを少々・・・」
そう言って優雅にお辞儀をする。
さすがにぶっちぎりの優雅さだ。そしてかなり美人の部類に入るだろう。美しい金髪にツインテールのドリルヘアー。どこからどう見てもザ、貴族の令嬢である。
「ありがとうございます、では別室へどうぞ」
選考が終了したことを伝える。
「よろしくお願い致しますわ」
歩く姿も優雅なものだ。
ちなみに、合格者には別室から講堂を出て帰宅する前に札を渡す。
我々3人の後ろに集計スタッフが常に待機しており、一人審査が終わるたびに3人がつけた結果を確認、〇の数が二つ以上のオーディション参加者のみ、次回に次選考会の参加引換券を渡している。
リーンハート嬢以外にも結構美人だったり綺麗な声の参加者もいた。
二次選考会では歌と踊りを見ることになるのだが、なかなかの逸材が揃いそうだ。新太は非常に楽しみになった。
「どうだった、ドーラ」
ドロステラに問いかける新太。
「そうですわね・・・私としては参加者の1割も〇を付けておりませんわ、新太様」
「ドーラのチェックは厳しそうだからな」
苦笑する新太。ドーラの審美眼は超一流だ。特に女性への判断は間違いない。
「リーンハート嬢ですが・・・容姿、所作、ともに一流ですが、性格に難がありそうな雰囲気です。こればかりは話して見ないとはっきりしませんが」
性格に難あり・・・コントロールが難しいか?
まあ、才能のある人間はどこかいびつな部分があって然るべきだろう。
「どうせなら、準優勝、3位の他に特別賞で後ろに踊るサポートをさらに2人くらい増やしてもいいか・・・」
まだ一次選考が終わったばかりだと言うのに、すでに新太は最終選考時のイメージを膨らませていた。
そんな新太を見ながら、ドーラは溜息を吐いた。
「これで一体どうやって儲けるというのでしょうか・・・?」
ドーラには新太が描いている計画の全容がつかめなかった。
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