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プロローグ

初投稿です!

(といっても同時に3つの物語を投稿始めてますが(^^;))

暖かい目で見守っていただければ幸いです!

週一で週末更新予定です。たまに「大将やってる?」的に覗いていただければ幸いです!

コメントや感想、ご意見には出来る限り目を通していきたいと思います。

よろしくお願い致します。

「―――――――! 時は来た!今こそ人間どもを根絶やしにし、この大陸全土を我が魔族の手に取り戻すのだ!」


ワーーーーーーーーーーー!!!


・・・・・・・はい?


「これまで我々魔族は人間どもに虐げられ、この不毛な北の大地に押し込められてきた!

だがこれももう我慢の限界である! 

今こそ人間の国々に攻め込み、奪われた大地を取り戻し、魔族の楽園を築くのだーーーーー!!」


「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーー!!!」」」」」」


目の前に雲霞のごとくごった返す人々が叫ぶ。


・・・・・・・え?

どーいうこと?

どーなってるの?


俺の目の前には紫色のローブを纏った竜だか蜥蜴だかみたいな人物?が大そうなご高説を行っている。

何やら赤い宝玉のついた杖を振り上げて、些か芝居がかった感じだ。


この場所はどこかのバルコニーのような感じだ。

このバルコニーのその向こうには大きな広場が広がっており、雲霞のごとく人人人で溢れている。


・・・いや、よく見ると「人」って表現は正しくないのかもしれない。

どう見ても「人」じゃないな、うん。角生えてたり、翼背負ってたり。明らかに人じゃないタイプもいるな。鬼?悪魔?獣っぽいのもたくさんいるな。

ケモナー属性でもあればテンションが上がるのかもしれないが、残念なことに俺にそんな属性はない。

それにしても、1万?2万?・・・いや、もっといるか。超大型のアイドル野外ライブ張りの集まり方だな。


それにしても・・・ココどこだよ? 右をちらっと見れば、5人ほど俺の斜め後ろに並んでいる。灰色のローブに身を包んだ魔術師っぽいヤツがいるな。その隣真っ黒なローブをすっぽりかぶった妖しいヤツがすぐ近くにいる。その向こうにはボン・キュッ・ボンの超美人がいる。限界ギリギリの露出、サイコーです。でも翼生えてるな。あれ、その向こうには切れ長の目をしたちょっと怖そうな美しいお姉さんがもう一人。素晴らしいね。一番奥は金髪イケメンだ。もしボン・キュッ・ボンのカレシとか抜かしたら爆ぜてもらいたい。



左をチラ見すれば、こちらは一人多い6名体制じゃないですか。もしかして、俺の右前にいて熱く語ってる竜人っぽいローブの男も右隣りの一員だったか?


それにしても左はクソゴツい系だな。一番近くにいる真っ黒な騎士。一番奥にはどう見てもオーガみたいなヤバイ奴に、ライオンみたいな獣人っぽい奴。真ん中あたりも髪の毛がヘビのドレスを着た女、コレ絶対「メデューサ」とかいうヤバイ奴だよな、きっと。下半身ヘビの銀髪巨乳美女?とか。うん、無かった事にしたい。



なんだかよくわからんが、この国は魔族の国で、人間に虐げられて来たがついに侵攻の準備が整って人間の国に戦争を仕掛けようと言ったところのようだ。



「・・・それでは魔王様。来たる魔族の運命を決める一戦を前に一言賜りたく存じます」


と言って、何か拡声器っぽいものを竜だか蜥蜴だかみたいな人物が渡してこようとする。

とりあえず俺は後ろを向いてみる。

俺以外に誰かいないかな?


「・・・いや、魔王様。後ろを向いて何をしているのです? 魔王様以外に誰も居りませんよ」


・・・え? は? えええ~~~、すごく嫌な気がするんですけど、もしかしてオラオラですか~? いや違った、俺が魔王様ですか?


「・・・? 魔王様、一言お願い致します」


ちょっと小首を傾げて不審がりながら、竜頭が拡声器っぽいものを渡してくる。

俺は受け取ると、拡声器を構える。ヤベ、緊張してきた。


「キィィィィィィィィン!!」


お約束だな!おい。


「魔王様、魔力込めすぎですよ!」


え? 緊張してギュッと握りしめたため、力が籠っちゃったかもしれないけど、魔力とかあるんだ。

まあ、魔力が全くない人間のままで、「お前誰だよ!」的な流れにならなくてよかったというべきか。

人間のままだったらソッコー処刑だよね。この場合。


異世界転生モノって、いろんなパターンがあるから厄介だよな。

だいたい、気がついたら俺はこの状況だよ?

フツー女神様からいろいろ説明があったりさ、ね? 美人女神とイチャイチャとか、ちょっと残念な駄女神様に振り回されてみたりとか。なんだよ、コレ? 説明ナッシングって。

ムリゲーイイトコだよ。クソゲー確定だよ。

だいたい、魔王様にどんな能力があってどれだけ強いかも不明だし。

異世界転生ならチートだろ!チート!チートくれ! ・・・てか、元の世界の俺、死んだ?


「・・・魔王様! 魔王様!」


いつの間にか竜頭が横まで来て耳元で怒鳴る。


「おおうっ!?」


「何を呆けていらっしゃるのですか! 国民に一言お願いします!」


近距離で竜頭の顔を見るとちょっとチビりそうになるな。多分怒ってらっしゃる?

竜だか蜥蜴だかの顔が怒っているっぽいのは迫力あるなぁ。


俺は拡声器を構えなおして、バルコニーの端に歩いていく。


「ええっと・・・人間って滅ぼさないとダメかなぁ・・・?」







「はぁ?」


シーンとなった世界、沈黙を破ったのはやはり竜頭だった。


「な、何を言っておられるのですか、魔王様!」


「いやだから、人間って滅ぼさないとダメなのかなぁって」


「いや、ダメなのかなぁって、ダメに決まってるでしょお!」


いや、乙女の絶叫のような勢いで叫ばなくてもさ。


「そもそも、我々は過去幾度も戦争を行い、この北の大地に押し込められる事になったのですぞ!」


竜頭の言葉に、鬼も同意する。


「そうだぜ、魔王様よ。やっと人間どもを蹴散らしてこの狭い北の大地から抜け出せると思ったのに、どういうことなんだ?」


鬼がメッチャ怖い顔で俺を睨んで来る。ふっ、よゆーで3滴ほどチビッてやったぜ。


「ククク・・・それについては俺にいい考えがある。人間を滅ぼすのではなく、人間を利用するのだ!」


とりあえず、これで殺すとか滅亡とか物騒な話から逸らせられるぜ!


「俺・・・?」


ボン・キュッ・ボンのお嬢さんが呟いたが、俺には聞こえなかった。


「・・・利用・・・ですか? 奴隷とかですか? それにしても多すぎませんか? いくらか体格のいいものが残っていればそれで・・・」


物騒なことを語る竜頭を俺は途中で遮る。


「いや、奴隷ではない。別な形で利用するのだ。」


「それは一体どういうことです?」


「それについて細かく説明するのは別の機会とする。俺にはすでに世界を牛耳るビジョンが見えている!」


力強く宣言する俺。もちここは拡声器ONだ。

国民も俺のセリフに力強さを感じたようだ。


「「「「「おおおおおおおーーーーーーー!!」」」」」


盛り上がってくれている。ここでトドメを指し、幹部たちの反対を押し切るとしよう。


「俺は戦争でお前たちが死ぬなんてことは断じて許容できない! ここにいる幹部たちだけではない、一兵卒、非戦闘員の国民一人足りとて、戦争の犠牲になることは俺が許さん!

俺はお前たち全員を愛しているのだーーーーーーー!!」


左手で構えた拡声器ONのまま、右手で拳を作り、高く頭上へ掲げる。


一拍の無音世界が広がった後、


「「「「「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉーーーー!! 魔王様万歳――――――!!」」」」」」」」」」


国民は大絶叫した。


(よし!うまくいったぞ!)


俺は内心安堵する。戦争なんて冗談じゃない。怖いし面倒だし、何より人間の敵って精神的ダメージがデカすぎる。


「えええ・・・・?」


竜頭が混乱している。鬼も獅子も腕組して苦虫を噛み潰しているように見えるな。

暴れたいヤツらだったのだろうな。

ボン・キュッ・ボンのお嬢さんからはニコリと微笑まれてしまった。・・・地味に嬉しい。


「人間の国攻略は追って各部署の連中に随時通達する。こちらから戦争を仕掛けるという方法以外でな。なに、俺の頭の中にはすでに戦略が展開されている。今よりもずっと豊かな暮らしをお前たちに約束しよう!」


更なる力強い宣言、今よりも豊かな暮らしの約束。うん、これに反対するような一般人はいないだろ。人ではないかもしれんが。


「「「「「魔王様万歳―――!! 魔王様万歳――――!! 魔王様万歳―――――!!」」」」」


うん、すごくいい反応だ。これで幹部たちもこの場では文句言えまい。

・・・後で怖いけど。なんとか説得するネタを絞り出さないと・・・


「・・・魔王様、後で少々よろしいですかな? すぐに幹部会議を開きますので・・・」


竜頭が手を口元に立てて俺にこそっと伝えてくる。

あ、間違いなく面倒なことになりますね、コレ。


はぁぁ・・・どうしよう?


というか、俺はこれからどうなるの?






他にも投稿しています。


転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?

https://ncode.syosetu.com/n2026ew/


ドラゴンリバース 竜・王・転・生

https://ncode.syosetu.com/n1684ew/


よろしければぜひご一読頂けましたら幸いです。

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