私立で底辺でも公立トップなんだが~異学校転学で学年1位!?~
小説を書いてみたかったので異世界転生テンプレに沿って書きました。
初投稿なので無難なものにしました。
俺は中学三年、とある私立中学校の生徒だ。
偏差値は60くらい、中の上くらいの学校。
その中で俺は底辺とも言えるような成績。
どれくらいかというと、学年1位と平均点が60点差。
100点満点で60点差はあまりにもおかしい値である。
成績が悪い俺でもそれはわかった。
理由は単純、自分にやる気と才能がなかったから。
人間、才能がない人もいて、努力でそれを覆す…そんな話を聞くが、結局努力って言うのもそれができる才能がないとできない。
数学の天才は努力せず満点を取っていくし、あの文学野郎は飽きもせず同じ本を何回も読みやがる。
入った時には虹のような私立学校で、高校もそれなりの所に入り、大学、就職と平凡だが夢のような人生を送るはずだった。
でも今は違う。この監獄には成績の悪い俺を締め付ける解けない縄、自分の才能という足枷、やる気をそぐ過酷な環境。
全て揃ってしまっている。監獄に必要な全てが。
俺だってこんなはずじゃなかった。顔は悪くないと言われるし、運動神経に関してはサッカーをやっていてずば抜けている。
幼稚園生でもわかるように4コマで書くとすれば
4月。勿論入学当初はそれはそれはモテた。かなりモテた。
5月。そこにテストという嵐が吹き荒れ、すべてを攫っていった。
6月。あまりにもバカすぎて女子が離れていく。
1か月のあまりに短い天下。起承転結ですらない。起転結の3か月で全部終わった。俺の青春全部。
これからどうすればいいのか。
必死に勉強しようとも、どう勉強すればいいのかさえ分からない。
かといって誰かに教えてもらうにも、宇宙人の言うことは意味が分からない。
俺が一体何をしたって言うんだろうか…いや、何もしなかったのが悪いのは自分でも分かっているが。
中3にして人生が詰む男。現代が生んだ奇跡だろう。
幸い、引きこもりニートではなかった。しかしそれは自分の居場所が無いということでもあった。
引きこもって居場所を作ることすらできなかった。その勇気がなかった。
せめて中1からやり直せれば、引きこもって何らかの創作活動ができたかもしれないのに。
せめて小6からやり直せれば、私立に入ることもなかっただろう。
小1まで戻れれば、私立に入っても大丈夫なくらい努力を重ね、頭のいい人間になっていた。
そもそもこの学校に入れたのが奇跡だったのかもしれない。
親は狂ったように喜び、鳶が鷹を生んだと大騒ぎしていた。
こんな幻を見せるアホみたいな学校消えてしまえばいいのに…
頭のいい奴らを睨みつけるように見渡す。
可愛い女子も何人かいる。そいつらはみんな俺がバカだと知った瞬間離れていった。
昔から女子には好かれるタイプだが、私立の女子には合わなかったらしい。
小学校の頃には、もっとかわいい女子がいた。
その時俺はその子を何とも思っていなかったし、受験をしたのでそいつとはもう会えないだろう。
俺だってこのまま公立に進んでいれば、その子と仲良くして付き合うなんてこともできたかもしれない…
そんな下らないことを考えている時が一番頭が冴えていて、授業が始まれば何も考えず脳を休ませているのが皮肉だった。
俺を覚醒させるような放送が流れたのは、そんな時だった。
「…くん」
誰かに呼ばれている
「至急校長室に来てください。お話があります。」
聞き間違いだろうか。
成績は悪いが、素行は悪くない。
ましてやハゲに呼ばれるようなことなど一切していない。
「繰り返します。」
幻じゃなかった。
その放送は自分の頭の中の靄を晴らすには十分だった。
いい意味ではない。今では、視界を遮らないが命を確実に削る突き刺すような寒さになっている。
校長室に呼ばれるのが危険な状態なのは火を見るよりも明らかだ。
なぜ?
どうせ考えても分からない。頭が悪いから。
俺の脳みそが精いっぱい出した答えは、とりあえず何も考えずに校長室に行くことだった。
校長室、一般の生徒なら入ることはほぼないだろう。
実際俺だって1回もない。これが初めてだ。
重そうなドアを開け、中に入る。
「話し合いたいことがあります。」
俺は驚いた。普通の人なら驚かないだろう。
そこに親がいるのは少し考えればわかることである。
「転学について、考えてみませんか?」
「現実を見るべきだと思うんだ。」
親も賛成らしい。入った時はあんなに喜んでいたのに。
でもこの時だけは親を鬱陶しいとは思わない。
いつも叱る親、そんな親がいてよかった。
親が厳しいおかげでこの監獄を脱出できるのだ。
「今までの学校とはだいぶ違うが、それでもいいですか?」
どうせ公立なんてバカばっかりだ。俺以上のバカにあふれている。
あいつらみたいなガリ勉なんているわけない。
公立なら、いける。
「はい。今までありがとうございました。」
こうして俺の転校生活は始まった。
現実世界のものなのでここから話を伸ばすのが困難かなと思います。
書けても僕の文章力ではあと2話くらいが限界だと思います。
ただ、異世界転生でよく言われる作者より頭のいいキャラが書けないという欠点は目立たないと思います。
異世界転生ものと転学の相性自体はそこまで悪くないと思いますが、設定を練り辛いというのが総文字数に大きく響くのがデメリットです。
また、異世界転生ものを書くことによって、異世界転生ものの書きやすさ、それによる作者の多さもわかりました。
異世界ものは設定を練り、それを物語に絡めることで話を作ること、転生ものは主人公の成長を通して設定を無理なく話の中に組み込みやすい事で、非常に相性がいいと思います。
異世界転生を最初に考えた人は天才では?