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第19話:リストラの真相

「竜作君、君は私に何を聞きたい?」

「……、俺達夫婦に付きまとっている奴らの正体と目的について。俺の知り合いの岩田玄三さんの再就職に雄一さんが関与しているのかについて。あと、俺がなぜ突然解雇されたのか、俺の再就職をなぜ妨害するのかの理由を知りたい。この四つです」

「……、わかった。その四つについて話そう。君達夫婦に付きまとっている輩の正体と目的については最後に話そう。話せば長くなる……」

「わかりました……」

「剣崎君、ケーキのおかわりをもらえないかな? 今日は昼食抜きでね、腹ペコなんだ」

「かしこまりました。すぐに持って来させます」

 虎之介はすぐさま内線電話でどこかの部署に電話をかけ、追加のケーキを持って来るように手配した。




「まずは、竜作君、君の解雇と再就職を阻む理由について話そう」

「はい……」

 俺はこれから雄一さんから語られる言葉を聞き漏らさないように身構えた。

「君の解雇の理由は、君達夫婦の身の安全を図るためだ。特に恭子ちゃんの身の安全を確保するのが最大の理由だ。君達夫婦の身に危険が及びそうなことは以前から察知していた。我が社の提供しているボディガードサービスに従事している社員の勤務時間は不規則だ。時には深夜まで及ぶことがある。ボディガードは常に危険と隣り合わせだ。君を危険な仕事に付かせておく訳にはいかない、君が残業して恭子ちゃんが夜一人で家にいる時間が一番危険だと判断した私の父は、君を解雇して専業主夫になることを勧めた。我が社としては優秀な君を解雇するのは苦渋の決断だったんだ」

「そうですか……」

「君は我が社を解雇されてからすぐに再就職先を探し始めたようだね?」

「はい」

「君の再就職を阻止したのも君達夫婦の身の安全を確保するために仕方なくやったことだ。申し訳なく思っている……」

「…………」

「君の名誉のために言うが、君が再就職先として履歴書と職務経歴書を送ったどの会社も君を即採用したいと言っていた。断るのに苦労したよ……」

「そうだったんですか? さすがに二十五連敗は正直言ってへこみましたけどね……」

「本当にすまないと思ってる。どうか許してほしい……」

 雄一さんは俺に深々と頭を下げた。

「雄一さん、顔を上げてください。他にも聞きたいことがあるんだ。話を進めましょう」

「そうだな」

 ふと会議室の中にノックの音が響いた。先ほどの女性社員、住崎さんがケーキのおかわりとコーヒーのおかわりを持って来てくれた。今度のケーキはモンブランだ。

 虎之介は雄一さんと俺との会話を黙って聞いている。雄一さんと俺はモンブランを食べながら話を進めた。




「竜作君の知り合いの岩田玄三さんの再就職についてだが、君の推察通り私が少なからず関与している。ここへ到着が遅れた理由は岩田さんの面接に出席したからだ」

「岩田さんの再就職は、俺に関わる人物の俺との接触を極力避けるためですか?」

「それも理由の一つだが、我が社の下請けの金型加工会社が、純粋に優秀な人材を欲しがっていたのも事実だ」

「それで玄さん、いや、岩田さんは採用されたんですか?」

「即採用されたよ。岩田さんは優れた人物だ。採用を決めた金型加工会社の社長は、岩田さんのことを喉から手が出るほどに欲しい人材だと言っていた」

「それを聞いて安心しました。玄さんと祝杯をあげなきゃ……」

「竜作君、君は狙われているんだ。目立った行動は控えてほしい。岩田さんにも危険が及ぶ可能性がある……」

「でも、玄さんと約束した手前断るわけにはいきません」

「わかった竜作君、こうしよう。君と岩田さんが祝杯をあげる日には、岩田さんにも護衛を付けよう。剣崎君、そういうことで頼めるかな?」

「かしこまりました。竜作、祝杯の日にちが決まったら俺の携帯電話に連絡をくれ」

「ああ、わかった。そうしてもらえると助かる」

「少し休憩しよう。最後の話は長くなるから……」

「はい……」

 雄一さんと虎之介と俺の三人は、コーヒーを飲みたばこを吸って一息ついた。

 会議室の壁掛け時計を見ると、時計の針は午後四時を過ぎていた。

「それでは、竜作君夫婦に付きまとっている輩の正体と目的について話そう。竜作君、心して聞いてくれ……」

 雄一さんの表情が険しくなった。

 俺はこれから雄一さんが語る話を一言一句聞き漏らさないように再び身構えた。

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