燕の虐殺
遅れまして大変申し訳ありません!
私のツイッターを見ている人はなんとなく知っているかも知れませんが、一度データが飛びまして、バックアップも取ってなかったので脳内復元に頼るしかなく、結果として滅茶苦茶遅れちゃいました!本当に申し訳ありません!
月明かりすら差さない暗い一室。真っ赤に燃える炎の灯った燈台に照らされた調度品の数々。そこに佇むヒトリの初老の男。またその目の前に跪く華美な服を着た太った男。
「以上がかの家に現れた少年の詳細であります、旦那様」
「ふん、ワラゥルの欠陥品か」
「いかがなさいましょう」
「...邪魔だ、消せ」
「御意に」
石造りの床を叩く足音が階段に消えた。
☆★☆★☆
ブタノチョーリが訪れた日より三日。その夜、草木も眠る丑三つ時。街中が眠りにつき、静寂が支配していた。
例に漏れずティアリスもその一人であったが。
「(...ん、賊か?)」
アルネージ邸の敷地に踏み入る輩を四名感知した。
踏まれた草木を通し、眠るティアリスに感覚的に伝わった。
息を殺し、賊がゆっくりと屋敷内に入るのを確認した。ある者は巧妙に窓の鍵を開け、ある者は壁をつたい、またある者は屋根に登った。
侵入者は迷う素振りもなく一直線にティアリスの部屋へ向かってくる。金目の物なぞ興味を微塵も示さずに。ゆっくり、忍び寄る。
「(返り討ち...いや、待てよ)」
ティアリスは考えた。
連中はティアリスに目的があるのは明白、ここは一旦寝ているふりをして敵の目的を探る事にした。
囲まれた。天井裏に、窓の外に、ドアの前に、隣の空き部屋に。
「(暗殺なら返り討ち。そうじゃなかったら...)」
流れに身を任せる。
☆★☆★☆
コンコンッ
と、鳴るノックの音。
「ティー君?もう朝よ、朝食出来てるって、おきなさーい」
ドア越しにサレナは声を掛ける。
「...反応なし。んふふ、お邪魔しまぁす♡」
寝込みを襲うとは何たる卑劣。セレナは手をワキワキさせながら部屋のドアを開けた。しかし。
「ティーくーんって、え?」
しかしそこはもぬけの殻。開け放たれた窓から入る風に白いカーテンが揺れていた。
だがそれだけではない。サレナの顔が見る見るうちに青くなる。
「何よ...これ...」
白いベッドシーツには点々と血の跡があり、よく見ればおかしな物が落ちている。
「あ、あ、足!?」
そう、それは足、太腿から切断されたそれはドクドクと血を流していた。
「あ、アルネージさん!!」
サレナはよろつく足で家主の名を叫ぶ。
☆★☆★☆
一方その頃、ティアリスはというと。
「このクソガキィ!!よくも俺の足を!!」
「ぐっ...」
彼を攫った盗賊の一人に顔を殴られた。縄で縛られる彼は何もしない。
今彼らがいるのはテスィシートを北上したところにある針葉樹林の中の湖のそば。ティアリスを攫ったあと、素早く外に着けておいた馬に跨り夜の街道を駆けた。目指すは盗賊団“契燕”のアジトだ。今はその途中に休憩といったところ。
「おいおい、殺さず一旦ボスの元へ届けなきゃいけないんだから」
「ちっ、なぁんでわざわざ“殺さず”なんだよ、別に良いじゃねぇか、どうせ殺すんだろ」
「どうだかな、悔しいがこのガキ、俺らを相手に少しだが対抗してみせた。四人相手に」
「...そうだな、悔しいが、悔しくてしょうがねぇが...その通りだ、ぶち殺してやる」
「やぁめーろ」
片足の無い盗賊は押さえつけられた。
「離せ!クソが!覚えてろよ!!」
「はいはい、向こうで傷口消毒するぞ」
クソがぁあああああと谺響する盗賊の耳をつんざく声が、ティアリスの鼓膜を揺らした。
そして、入れ替わるようにまた二人。食糧調達兼身辺警護をしていたグループで、彼らは先程の二人よりも歳が上。頬に傷がある歴戦の猛者、そう思えるような風貌の厳つい男。もう一人は狐のように細い目付きをした背が高く線の細い優男。
「坊主、俺が言うのもなんだがアイツの怪我はアイツ自身の未熟さが原因だ、気にするな」
「ドラフさん、随分と気に入ってますねぇ、その子のこと」
「俺らを相手にアレだけ戦えたんだ。強者にはそれなりの態度を取る。盗賊なんてやっちゃいるがそれが俺のポリシーだ」
ドラフは憮然とした態度で答える。
「オリオ、そういうお前もあの最中、楽しそうだったじゃないか」
「おや、バレてしまいましたか。えぇ、僕もこの子のことは気に入ってますよ」
オリオの釣り上がった目は更に釣り上がり、口角が常軌を逸して跳ね上がった。
「君をどうやって殺すかが楽しみでねぇ...ひっひっひ」
顔が近い。まつ毛が触れ合うほど近くでオリオは口が割けんばかりに笑った。
「また出たか、お前の悪癖」
「いえいえ、ですがボスが引き込むとおっしゃれば、僕も諸手を挙げて歓迎しますよ、彼の目の奥には、何か僕と似た歪があるからねぇ」
それを聞いたティアリス。
「ぺっ」
間近にあるオリオの顔に、唾を吐いた。
「...」
「...」
「...はぁ」
ドラフは思わず溜め息をもらした。
「こ、この、このクソガキャア!!僕の、僕の顔によくも汚い唾を吐きかけてくれたなぁ!?」
ドスッ! ドスッ! ドスッ!
何度も、何度も何度も踏み付ける。足を、腹を、顔を幾度となく踏み付ける。
手足を縛られたティアリスに抗う術など無い。
無いという事にしている。
縛っているのはただの縄、地面に手をつければ樹属性の力で盗賊達を全滅させる事など容易い。しかししない。探るのだ、こいつらのアジトを、自分を殺そうと企てている輩の事を。
そのためにも見せない。耐え忍ぶ。バレる訳にはいかない。頬や足に青痣を作り、鼻血を流し、口からも血を垂らす。
「おい、おいもうやめろ!本当に死んじまう!」
「ぐぅ!は、離してください!こんなガキ!」
「やめろって、言ってんだろうが!」
「うっごはぁっ!?」
ドラフの強烈な一撃がオリオの腹に入る。オリオはたまらず気絶した。
「たっく...どいつもこいつも言うことなんて聞きやしねぇ。坊主、お前もあまり刺激するようなことするな」
「...」
「だんまり、か」
ドラフは気を失ったオリオを担ぐとティアリスに背を向けた。
「坊主、意地を張るのは良いが、そういう自己犠牲は何も生まないぞ」
そう言い残して去っていった。
翌朝、ティアリスは再び盗賊たちの馬に乗せられている。森林内を不規則に走り回り、馬の足跡を巧妙に消す。そうして辿り着いた彼ら契燕の巣。
大きな家の周りに幾つもの小さな家が囲っている。人数が合計で五十人弱いるこの盗賊団ではこれでも狭い。しかし今は三つのチームでわけてローテーションをしながら仕事をしているため三十人ほどしかいない。
一際大きい中央の家、首領の家にティアリスは担ぎ込まれた。
「ボス、依頼の坊主を連れてきあした」
「よくやった。と言いたいところだが...誰がこんなにボロボロにしてこいって言った?」
ボスことラドリオは鋭い眼光で四人を射抜く。
「すいあせん、こいつらがちょいと手を上げたんでさあ、俺の不足です」
「...ふん、まあいい。許そう」
ラドリオはドラフの顔を見てそう言った、その後玉座のようにずっしりと重厚感のある椅子から立ち上がると、木製の貧弱な机の上に寝かされるティアリスを見た。
対してティアリスは反抗的な目つき。猿ぐつわを嵌められ喋ること叶わず。
「いい目をしている、何もかもが憎い。そういう目だ」
ラドリオはティアリスの顔に近づけ、目を見つめてそう言った。ティアリスから見たラドリオの目。そこには同情と期待慈愛、その三つが混在している。
「可哀想にな、辛い目にあってきたんだろう。だがそれによってお前は力を付けた。俺には分かる、こんな所に連れられて物怖じしないその豪胆さ、全身に痣が出来るほど蹴られても弱音を吐かない堅牢さ、さぞ壮絶な目にあったんだろう」
ラドリオのゴツい手がティアリスの頭を優しく撫でた。自分の子供にするかのような優しいものを。
「俺に付いてこい。世界を憎むお前の手助けをしてやろう」
ラドリオがティアリスの猿轡を取った。
そして開かれるティアリスの口。目を細め、目尻を下げながら彼は一言。
「気色が悪い」
「は?」
「だから、気色悪いっつってんだよ。オッサン、アンタが俺の事を見て分かる通り俺もアンタの事なんてすぐ分かる。利用する気満々のうす汚ねぇチンケな策略がさぁ」
唖然呆然、いい話風に装っていたのは否定しない。しかし、それを見抜くというより気に食わないの感情で押し通した。
そして次の瞬間、ラドリオ表情に影が差した。
「お前ら、そのガキを殺せ、遠くでだ。この部屋を一切汚すんじゃねえぞ」
「へ、へい!」
若い下っ端にそう支持すると不機嫌そうに奥の自室へと向かった。
「ガキンチョ...ボスになんて口聞いてんだお前は」
「まあいいさ、そのボスのお怒りを治めるためにもコイツを始末だ」
「どこでやろうか、何で殺すか」
「そうだなぁ...」
下っ端達は考える。経験不足の彼らは殺人の感触、それに快感を覚えている。未熟な現れ、殺す事を目的に賊をやっているその若さ。目の前の少年が魔物と大差無い事なぞ露知らず。
「テメェ等、殺すだとか始末するだとか、好き放題言ってくれるじゃねぇか」
下っ端二人の視線の先、縄で縛られていたはずのティアリスは悠然と立っている。仁王立ちで机の上から彼らを見下ろす。
「こ、こいつ!縄を」
「抑えつけろ!」
一斉に飛び掛る二人、周囲もその異変に気付きティアリスに飛び掛る。
「甘ぇんだよ」
濃密な魔力の爆発が空気を支配し、盗賊たちの体感時間を引き伸ばした。ゆっくり、ゆっくりと見えるティアリスの変化。悪戯な笑みを浮かべ、その丸めた背中から突き出る異物が数十本。
「串刺しになれよぉ!」
ズブッ!ガシュッ!と何人もの身体をその棘が貫いた。触手のようにしなり、剣のように硬い植物の根。血を滴らせ、ポタリポタリと木材の床板に染みこんでゆく。
「くぅ!?総員!散れ!」
ドアを蹴破り、窓を割り各々外へ逃げ出す賊を今のティアリスが逃がすはずもなく。
「逃がすかよ!」
いつの間にか根の棘はその背中から抜け落ち、ティアリスは丸めた背中を今度は反らして口を大きく開けた。
-飲み込め-
突如として開いたティアリスの口が緑に光る。この光、一角闘牛の時に見せたあの光、だがその強さはあの時の比ではない。そして。
バァアーン!!!
契燕のアジトが崩れ、周囲の小屋も巻き込み濁流のような木の根は広がってゆく。波打ち、増大し、制圧していく。棘に貫かれた賊達は生きていようが死んでいようが関係ない。すべてを飲み込む。逃げ遅れたものも、全て。
それはひとしきり広がるとその動きをゆっくりと止め、気づけばそこには天を貫くような巨木が一本。森林の木々より頭一つ二つどころでなく、森の主とでも言えるその形相は化物であった。巨大さがではない。異形なのだ、へし折れた木材や机の足、そして何よりも手だ、足だ、顔だ。巻き込まれた下っ端達の身体が血を流しながら突き出ている。指があらぬ方向へと向いた手、ぶらりと垂れ下がった足、苦悶の表情に満ちたまま埋め込まれた顔。まさしく異形、化物。
「な、なんなんだこれは!!」
「ボ、ボス、無事でしたか」
「無事?無事なものか!俺のアジトが、こんなに...」
なんとか逃げ延びたのはラドリオとドラフ、それと契燕の中でも有力な幹部が四人。計六人が生き延びた。
「早いところ逃げるぞ、またいつ動き出すかわからん」
「直線で行きます。ひとまず...」
「逃がすわけねぇだろ?」
彼らには悪魔の声に聞こえただろう少年の声。もちろんティアリスだ。
「取り逃しちまったが関係ない。今ここで俺が殺す、逃げ切れると思うな」
巨木の枝の上に立ち、彼らを見下ろす形になる。
そこでティアリスは無言で手を前に出すと一斉に枝が伸びた。
「避けろ!!」
ラドリオが叫び、各員その場を飛び、枝の猛攻を避けるが健闘むなしく数名は足を取られた。
森に響く断末魔。驚く鳥が木々から飛び立つのが見えた。残り、三人。
「クソが!あのガキ、とんだバケモノじゃねぇか!!」
「言ってる暇無いです、早く逃げましょうボス」
「そんなことは分かってる!」
走った。生き延びた三人は必死に。巨木との距離がだんだん離れ、気づけば彼らの眼にティアリスの姿は無かった。
「やった、やったぞ!」
「あとはこのまま走り抜けましょう、そうすればきっとテスィシートに...」
しかし、現実は非情で非常。彼らは次の瞬間目を疑った。走り抜けた先、本来であればそこは草原。街道が遠くに見えてそこには行商の荷馬車がのどかに走っている。そのはずだった。だが、今目にしているのは例の巨木、そして悠然と立つティアリスであった。
「よお、おかえり、じゃあ続きを始めようか」
「な、なんで...」
「はあ?言うわけねぇだろ」
もはや戦意喪失。絶望。ラドリオとドラフと幹部の一人は逃げる事もできない。足を取られた。地面から伸びた草に。
スルスルと足に絡みつき離れようとしない。それどころか次第に伸び、足を越え胴体にまでめぐり手すらも縛られ雁字搦め状態。逃げることなどハナから無駄だったのだ。
「なぜ、なぜこんなことに...」
「テメェらが先に手を出した、それ以外に理由なんているか?」
「い、命だけは!ちゃんとテスィシートに帰す、もう二度と手出しはしない!俺たちはここいらから身を引く!だから、だから命だけは!」
必死の命乞いである。充血した弱々しい眼でラドリオはそう嘆く。残りの二人も同じ。その心は完全にティアリスに対する恐怖で支配されていた。
「何を今更、テメェらは昨日の夜、俺を標的にした時点でこうなるように予定していた。もう変更はできない、おとなしく死ね」
少年が言うようなセリフではない。そんな無慈悲な少年は感情に起伏など微塵もなく、手を振り下ろした。
☆★☆★☆
アルネージは馬車に乗り、森を駆けていた。ティアリスを探すべく、近辺の目撃情報を元に契燕のしわざなのではないかと目星を付け、以前から収集していたアジト等の情報を頼りにここまで来た。一人突っ走るアルネージを追い、後方には王国騎士隊の部下を数人連れている。
「どこへ、どこへ行ってしまったんだ」
「団長!落ち着いてください!」
「これが落ち着いていられるか!」
「そんなでは助けられるものも助けられませんよ」
「くっ」
部下の言うことは最もだ。一度冷静になり、そのあとで情報をかき集め捜索したほうが良いに決まっている。しかし、そういうわけにもいかない。
「だ、団長!あれは!?」
「どうした!」
団員の一人が声を上げた。震える指で何かを示している。
「な、なんだ...あれは」
そこには巨大な影。月明かりを背負い、まるで巨大な魔物のように見える。団員も思わず抜剣。ジリジリとその影と対峙する。だが影は一向に動かず。
「これは...木?」
誰かが口にした。そう、それはティアリスが創りだした巨木。異形の巨木であった。
彼らはゆっくりと近付きの根本まで行く。そこで事更にこの木の巨大さに驚くのであった。
松明でその木を照らす。そこで彼らは初めて気が付くのだ、この木の異常さに。
「これは...」
アルネージが呟く。灯りに照らされたそれは人の腕、それも白骨化が進んでいる。他の団員も他の所で驚き、その声を響かせた。
手、足、半身、様々なものがはみ出している。そして見つけた。ラドリオを。
「こ、こいつは指名手配されている契燕のリーダー、ラドリオです!」
ラドリオはいた。上半身のみが磔になるような状態で巨木に埋まっていた。その表情は口を顎を外して開けっぴろげに、眼は剥き出しで白目、肌色も木に侵食されるかの如く濃い黒に近い茶色、しかし身体の中心部はまだ人の肌色を残している残酷なグラデーション。
「死んでいるのか...?」
「は、はい、脈は既に無いようです」
「一体何があったっていうんだ」
「分かりません、もしや魔物の仕業という可能性も...」
「植物を操る魔物がいるのは知っている、だがこれほどの力を持つのか?」
「いえ...そんなことはあり得ません。現状発見されている魔物でこのように植物を操れるものは総じて規模が小さいものばかり。大きいもので人間程の大きさしか無いドリアードくらいでしょう、ですがドリアードは居着いた土地から離れることは出来ず、根を張るところを一生の拠点とし続けます」
「となると、新種...でしょうか」
「もし、仮にそんなことになれば世界中大混乱だぞ!?」
焦る団員達。だがそんな彼らの言葉はアルネージの耳に届いちゃいなかった。今彼の脳裏にはある言葉がフラッシュバックしていた。
『魔力で植物を操れる、樹属性』
「(まさか、ティアリス...だというのか!?)」
☆★☆★☆
ここはテスィシート北西の小さな廃村。人のいないこの村はスラム街のような役割を担っている。そんな村の一角にあるボロ屋にティアリスはいた。その目の前には倒れ伏す男、既に死んでいるようだ。
「遅かったか」
ティアリスは男を見下ろしながらそう言う。
この男はここを拠点にしている小悪党、ラドリオにティアリス拉致の依頼をした人物だ。
ティアリスは追い詰めたラドリオをあの巨木に拘束し、その頭頂部にメモリー・ツリーの種を植え付けた。記憶の吸い出し、それを行いこの男を突き止めた。しかしティアリスが当初予想していた通りこの男はあくまで間者にしか過ぎず、黒幕は未だ遠い所にいる。魔力の消費が著しいが致し方ない、メモリー・ツリーを多用し、黒幕まで手繰り寄せようとするも早速歩を止めた。メモリー・ツリーは生きているものにしか効かない、つまり今、この男にメモリー・ツリーを使用することは不可能なのだ。
「ちっ、ふりだしに戻ったか」
悪態つくティアリス。彼はその背後に人が集まっているのを確認した。
「おうおうおう、そこに死んでいるのはボージャンじゃねぇか?」
「なんてこった、ポックリ逝っちまってやがる」
「そこのガキ、お前何か知ってるか?」
「いや、アニキ、きっとコイツが殺したんでさぁ!」
「あぁ、おそらくそうだろう、身なりの良さからお前、貴族のボンボンだろ?遊び感覚で俺らの仲間を殺しやがって、絶対に許さねぇ」
わらわらとチンピラがティアリスを囲んだ。その数はザッと十六。おそらく全員がグル、その隠し切れない口元のニヤけ具合いですぐにでもわかる。
「ボージャン仇!やっちまえ!引っ捕らえてたっぷり身代金を頂いてやらぁ!」
リーダー格の言葉に応じ、チンピラ共がティアリスに飛び掛る。
「(あぁ...もう、鬱陶しい)」
刹那、そこにあった命の灯火は一斉に消え去った。
次回もおそらく時間がかかると思います。脳内プロット段階で次の章の内容はあらかた整理がついているんですが、そこに行くまでの繋ぎ。つまり今の章が全く思い付きません。スランプ状態です。
ですが一ヶ月以内には確実に完成させますので、どうかよろしくお願いします!




