第2話 サラ・リア・クローク
この回は、サラ視点です。場面は、リオンの部屋へ向かってから、部屋のドアを開けるまでです。
「どうしたらなるんだ。リオンのあれは。」
「サラ様、申し訳ありません。私が不甲斐ないばかりに、高等部入学まで1週間しかなく。」
「誰のせいでもない。誰も直そうとしなかったからだ。」
「はい。」
今は、朝。もう、何年も前にリオンが自分から起きてくることを諦めてからの俺の日課。つまり、リオンを起こしに行くこと。日課をするために、リオンの自室に行く途中、呟いてしまったのが冒頭の一言である。
リオンのあれも母上の特訓や前世せいだと思う。
そう、前世。俺たち兄妹の前世は、この世界を破滅に導き勇者にたおされた伝説の魔王である。俺には、記憶。リオンは、力。今世で、魔王は2つのからだにわかれている。これは、神の采配かもしれない。
俺の中の魔王の記憶は、他人のような、自分のような、感情や細部までわかる映像を見ているような感じだ。だから、別に前世の復讐をしようとは思わない。
リオンのは、リオン自身よくわからないらしいが、俺には、すごく強く感じる。なので、場所はわかるし、もとは1つだけあって感情もリオンが強く思うほど感じる。双子でもいちよう女なのできるだけ感じないようにしている。
リオンがに魔王のことは、12歳の時言った。最初は驚いて、信じてくれなかったけれど俺の魔法を使って魔王の力をだしたら信じてもらえた。かなり荒療治だったが結果オーライでよかったと今でも思う。その時、誓いをたてた。
<1つ、二人だけの秘密にすること>
<2つ、魔王の記憶と力を自分たちのために使わないこと>
<3つ、人々の幸せのために使うこと>
誓いの印に錬金術で、俺はリオンの、リオンは俺の瞳の色と同じ色の宝石がはまった、同じデザインの指輪を作った。相手がいなくても、宝石の色を見て一緒にいると思えるように。
「サラ様。着きました。本日もお願いします。」
「あぁ、解った。」
本当は、俺だってリオンにこんなことしたくない。クレアはリオン至上主義なにで言っても無駄だし、ほかの者にも頼めないので、俺になる。
-ガチャッ
「やりたくない。」
小さい声だったのでクレアにも聞こえていないだろ。もし、聞かれていても文句言われたくない。実際、クレアなら文句なんて言わないし、聞いてないふりをするだろう。
あぁあ、今日も嫌な日課だ。
読んでいただきありがとうがざいました。
第2話で主人公以外の視点になってしまいすみんません。次は、本編に戻ると思います。是非、お楽しみに。
誤字・脱字、感想やアドバイスをよろしくお願いします。