第1話
-水の中みたい。しずかで、なんか安心。
「オ・、・・マ・・テ」
-煩いな、この中に、、
「い・・・物・。」
「は・、こ・に。」
-まだ、水の中に、、、
「やる・・ない、い・・・こと。いhのこw。」
-シャーッ
-ドサッ
最初の音は、ナイフが空気を切った音
次は、私がベットから飛び去って、着地した音
「誰だ!」
「俺だ。サラ・リア・クローク、お前の兄だ。」
「ああ、サラ。あいかわらずの起こし方で。」
「リオンが起きないせいだろう。ちゃんと起きられるのか?高等部では、寮生活で部屋は別で、毎日朝起こしている奴がいないんだぞ。中等部の時だって、合宿や伯父上に頼んで騎士団への見学の日くらいしか起きてこないし、それに何故か俺より早いし・・・」
こんな感じで、いつものように困った顔で私を立たせたまま手をにっぎているのは、私の双子の兄であるサラ・リア・クロークである。
容姿端麗、成績優秀、頼りになる、優しき私のお兄様。<いつものように>は、自分で思いながらなんか嫌だ。さらに兄の困った顔など見たくないが、悲しいことに年中みている。
かなり遅れたが、私は、リオンハルト・リア・クローク。ちなみに双子なのでサラと同じ顔。なので、私も容姿端麗だ。成績はイマイチだが。あと、確認事項は、私が女であること。顔が同じなことと名前のせいで、名前だけだと男に間違われる。サラも男だ。名前だと女ぽっいけど。でも見れば・・・
「おい、聞いているのか?あと、1週間しかないんだぞ。それまでに対策を考えなければいけないんだ、お前が困るんだぞ、もっと努力しろよ。」
サラが顔を近づけてきた。というか、綺麗な赤紫の瞳を。そう、瞳。私たちは、顔も髪の色も同じ、身長だって測らなければ違いが分からないくらい同じなのに、目の色だけ違う。だから、目を見れば分かる。私は、青紫の瞳。髪は、母上から受け継いだ闇を思い出すほどの黒髪。
このラシファース王国では、こんな黒髪なかなか見ないとよく言われる。それくらい黒い。それは、母が最東の島国出身のせい。それに、格闘と隠密行動にたけたニンジャ?という集団の長の娘だったらしい。らしいというのは、子である私でも分からないから。でも、武勇伝は聞いている。武勇伝は、母上の側づかいで、出身が同じなヤエに聞いている。
そんなわけで、私は、幼少の時からいろいろ習っている。それは、もういろいろと。だから、こんな起こし方されないと起きない。
サラには、「だったら部屋に誰か入ってきたら起きろ。」と言われる。そんなサラは、母上に習っていない。それは、ひとえにサラの魔力がすごい高いから。私が母上やヤエに教わっている時いないから、母上とヤエの特訓の恐ろしさを分かっていない。サラは、そんな時王宮魔術師長をしている父上のもとへ行ったり、書物を読んだり、実験をしている。人外であり、自由気ままな精霊をも使役している。私が魔力がないわけではけしてない。サラが強いだけだ。
私的には、サラと一緒なら大人よりぜんぜん強いと思う。サラが魔法で、私が物理攻撃。この運命は、運命ではないと、思う。それは、私たちの前世に秘密があるから。家族にも教えられない秘密が。
「早く、支度しろよ。クレア、あと頼んだ。」
「はい。覚悟ができず申し訳ございません。サラ様。」
いつもの会話をして、あんなに言っていたのにサラは、フラッと部屋からだていってしまった。毎日のことだし、双子でも私は、女なので別に気にしない。
クレア・サラムは、あめ色の髪にこはく色の瞳。私の側づかいで微妙に、いや、かなり私、リオンハルト至上主義なところがあるがとても信頼におけるいい子だ。至上主義なため、武器で私を起こせないらしい。けれど、1週間後のは、サラに私のためだと言われ、躊躇なく起こしていると、私は、予想する。サラム家は、代々クローク家に仕えているということもある。
クレアも私たちと同じ15歳。王立ヘルニア魔法騎士学園高等部に1週間後に入学する。ラシファース王国は、15歳で成人するので、入学式と一緒に成人式をする。また、中等部は、王都にある自分たちの屋敷なのだが、高等部では、寮生活になる。そして、<私が朝起きない>が問題になったが、なんとかなると思う。
王立ヘルニア魔法騎士学園は、貴族はもちろんのこと、この国の者なら才能さえあれば誰でも入学できる。貴族は、優秀な部下を持ち、己の力を高めるため。平民は、有能な上司の部下になり、貴族になるためのエリートコースである。
私たちは、公爵家なので未来のために優秀な部下を見つけなければならないのである。
「リオンハルト様。このクレア、サラムの名にかけて1週間で絶対に覚悟を決めてみせます。さぁ、リオンハルト様の好きな蜂蜜たっぷりの紅茶でございす。冷めないうちに、どうぞ。」
「あぁ。ありがとう、クレア。」
「嬉しいですがこのようなことまで、お礼はいりませんよ。それよりも、1週間後に向けてやることがやまほどあるでしょう。」
「今までのつけか。サラに手伝ってもらわなきゃ!」
「サラ様は、この件には、一切関わらないと申しておりました。」
「<この件には>ってことだから、愛想は、つかされていない。クレア、手伝いを頼む。」
「リオンハルト様のためならば、クレアに何でもお申し付けください。あと、ご入学の前にその口調、直さなければなりませんね。礼儀作法もクローク公爵家令嬢にはじぬよう、1からやったほうがよろしいですかね?国王も出席なさる入学式、成人式。粗相があっては、困ります。」
「あはははぁ。」
クレアは、たまに家庭教師のようなことを言ってくる。ようなではなく、まあ、実際そうなんだけれでも。至上主義のくせに、厳しい。
いろいろ理由がある。入学式、成人式に国王が出席すること。今年度入学される、皇太子のこと。
でも、皇太子であられるバアル・リア・ラシファースは、一様幼馴染なので、問題ない。・・・と思われる。
なので、後は自分の問題のみ。
この作品は、はじめて投稿したものなので、何とぞ温かい目で見てください。誤字・脱字のご指摘、感想やアドバイスなど、大変お待ちしています。
これからどうどよろしくお願いします。