ぬか漬けのはなし・二度目
いよいよ魚沼産コシヒカリ(新米)に手をつけました!
やっぱりおいしいです。銘柄どうこうはノーコメントとして、精米したてのごはんって違います。含まれる水分や香りが段違いなんでしょうね。
さて、精米したらぬかが出ます。
そもそもこの「ぬか」って何なのかといえば、玄米の、色が茶色っぽい部分。白米を覆っているモノです。小麦でいえばふすま……英語的にはブランとでもいいますか、それにあたります。「オールブラン」とか、そのへんのものって実態としてはぬかを食べているのに近いものがあるんですね。
このぬか、結構いろいろと使えるんですよね。昔はお掃除によくつかわれていたそうですし、米ぬかに含まれるエキスは髪や手肌にやさしいのです。昔は米のとぎ汁で髪を洗っていたそうで、これはトリートメントには良さそうですけどよく洗わないと後でにおいそうですよね。
ぬか漬け用のぬかにするには、このぬかを炒る必要があります。主に衛生面の問題のようです。フライパンに入れて、かき混ぜながら弱火でじっくり。指を入れてたら暑くて思わず指を引っ込めるくらいになったら完了です。あんまりやりすぎると今度は発酵しにくくなるので難しいところです。
覚ましたらタッパーに入れて保管しておけます。刻んだ鷹の爪なんかを混ぜておくと防腐効果があがるのでお勧めです。
ぬかを炒っていると、それはもういいにおいがします。甘く香ばしく、炊き立てご飯のようだと言われたりもするみたいです。
が、ここで一つ問題が。
ある日のことです。ぬかを炒っていると兄が仕事から帰ってきました。
「ただいまー。お、いいにおいだな」
「お帰りー。ぬかを炒ってるんだよ」
「いいな、俺、この匂い好きだわ」
そんな風に呑気に話していたのですが、十分くらいたったころでしょうか。兄がくしゃみをし始めました。二回、三回、四回……止まりません。
「くっそ、止まんねえっ!」
「なんだろね、急に」
困る私たちを見て、母が一言こう言いました。
「イネ科のアレルギーだからじゃないの?」
そう。兄は重度の花粉症でイネ科の花粉が天敵なのです。そして米は言うまでもなくイネ科の植物。どうやら炒っているうちに空中に浮遊したぬかに反応してしまったみたいなんです。以来、ぬかを炒るときは兄が外出中で、帰ってくるまでに三時間以上の余裕があるときに限られてしまいました。
それでも兄はぬか漬けが好物の一つです。食べる分には問題ないんですよね。ちょっと不思議です。