魔法の説明です。他、余談
余談です。魔法です。
私は手紙を放り投げ、ソファにつっぷした。
"レオタール家の令嬢"クリスティーヌであるのならこんなことは許されないが、それはそれ、これはこれ。今部屋には【静寂】がかかっているし、部屋にはルリアしかおらず、屋敷の中には執事長とメイド長とその他大勢含めても20人に満たないので全く問題ない。
そうそう、この世界には魔法がある。
魔法を使うにあたって大切なのは魔力と想力である。
魔力は殆どのものに宿り、金属を強化したり、火をつけたり、水を出したりすることが出来る。
といっても、一番魔法で大事なのは想力だ。
これさえあれば簡単な下位魔法程度なら誰でも出来る。
想力と魔力次第では下位魔法でさえ、上級魔法と同じレベルのものが撃てたりする………理論上は。
ただ、普通、無詠唱で魔法を行う人は極僅かで、多くの人間達は魔法陣を描いて魔法を行う。
そのほうが、魔力消費量が少ないからだ。
ただし、いくら魔力と想力があるとはいっても自分の魔力量には限界があって、己の魔力量を過信して使い過ぎたら、当然のことながら倒れる。
魔力量枯渇の症状は人それぞれで、貧血みたいな症状の人もいれば頭痛、嘔吐、下痢、めまいなどなど。ある例では発情してしまう人もいるとか。……なんて大変なんだ。
だが、どれくらいが自分の魔力量なのかしっかり把握しておかないといざって時に困ってしまう。
まぁ、どれくらいで切れるかは自分のことだからなんとなく感覚でわかるんだけどね?
ただ、そういう、所謂『魔力切れ』状態を何度か続けると少しずつ魔力が増えていく、という特典がつく人にはつく。要するにつかん人にはつかない。自分がどちらなのかは試してみないとわからないのだ。試して魔力枯渇状態に陥ってそれで増えていなかったら苦しんだだけっていう悲惨な結果になる……。
といっても、魔力切れ状態を続けて魔力が増える人なんてそれこそほんの一握りなのだが。
魔力量を量るには、それ相応の魔具と呼ばれるものが必要で、普通他人の魔力量は『なんとなく』でしかわからない。
魔具とは、魔力を使って動かす機械のようなもの。
皆が想像しているのであってるから説明はなしね。
とにかく、ありがちなネタいっぱいの国ってことで。
一応属性とかあるんだよ?
えっと、光 闇 風 火 木 水 …。
一般的には一属性しか使えないけど珠に二属性、三属性使える人がいてその人たちはわかった時点で高給取り確定で全員が王宮へ勤めることになっている。
私の家系でいうと、伯父が歴代トップの魔術師で四属性使える。
これ、スンゴイ稀なというか歴史上初めての快挙で、そのせいで私の家の格が二つほどあがってそれがわかった時に私の家はただの貴族だったのに、男爵になった。
あー…思い出しても憂鬱。
男爵なら、まだ慎ましく生きることができたのに、なぜ私の家は、今侯爵なんだ。
ここんところも説明しないといけないのかな…
ええと
上から
王族…王家の血筋のもの。
公爵
侯爵
伯爵
子爵
男爵
となる。
元々、私の家はただの貴族で王都からもかなり離れた土地を治めていた。
王都の人達には全く歯牙もかけてもらえないような、そんな貴族。
といっても、領民たちには善政をしいてくれる珍しい(…‥)貴族っていうんで親しまれていた。それが伯父に四属性操れるっていうのが発覚して男爵の爵位を承り、お父様が色々あって王宮に勤めることになって(その際、お父様がお母様と離れたくない、という我儘により、伯父と宮廷魔道師さん達が転移装置を発明した……お父様……(;一_一))どんどん仕事で功績たてて、いつのまにか侯爵になっていたという。
とにかく、私たちは只の貴族だったのに一代?二代?(兄弟ってどういう括り…?いや、兄弟でいいのか)で侯爵家まで上り詰めた超エリート一家。その分、妬みやら嫉妬やらなんやらが五月蠅いのだが。
さて。
ここらで兄弟の名前ぐらいは明かしておこうと思う。
23歳、レオタール家長女で私のお姉さま、ジュリアーヌ。
21歳、レオタール家長男で私のお兄さま、フェリクス。
14歳、レオタール家次男で私の弟、レオンス。
9歳、レオタール家三女で私の妹、キャロル。
詳細はそれぞれ出てきたときにでも行うつもりです。
ところで、私のお母様について。
私のお母様は、一言で言うなれば、絶世の美女。
流れる金髪は艶やかに波うち、瞳は深い蒼。
30代の後半にさしかかろうかというのに未だ20代に見える若々しさと人妻ゆえの色気は度々成人して間もない若者たちを魅了し(そしてお父様にトラウマを植え付けられる)、ナイスバディの御嬢さまと言っても問題ないほどに美しい。
そんなお母様には二つ名がついている。
『玉姫』
玉は宝玉の玉で、数ある宝石のなかでも一番という意味で『生きた宝石』とも呼ばれている。お披露目パーティーが終わってすぐつけられたそうだ。
……現在もその二つ名は呼ばれ続けている。
お母様自身は「姫なんて歳ではもうありませんわ」と言っているが、照れて頬を染める様子は実の娘の目から見ても女神にしか見えない。というか、五人も子供がいるって何かの悪い冗談にしか聞こえない。むしろ、同い年なんじゃないの?って日本人からすると思う。
そして私の兄弟たちは、両親の容姿を受け継いでいる。
それぞれに優れたところがあり、それがまた一流以上。
縁談は雨あられのように降り注ぐ。
――――例外はいつもあるわけだが。
屋敷はかなりでかく、侯爵になってからの建て替えはしていないがそれでもかなりの広さを誇る我がレオタール家の部屋数は軽く200を超えている。
それなのに関わらず、メイドと執事は必要最低限もいないし、お父様とお兄様は日中家にはいないし、残った私たちも動く部屋は限られていて。
よって、残った部屋の多くは私の所有物や物置、そして、私の兄弟に来る大量のお見合い手紙(経歴とかがびっしり書かれた本型の色紙のようなもの)がいれられることで使われている。
ちなみに、部屋の100ほどはすべて『お見合い手紙部屋』で埋まっている。
部屋の扉には『ジュリ姉様にたかる虫達の標本1』、『フェリ兄様にたかるメス達の標本1』…etc.と書かれたプレートがかけられている。
名づけたのは私だ。
どんどんやってくるお見合い手紙に壁僻して燃やそうとしたのだが、どうも燃やしたのがバレたら面倒なことになる上流貴族のものもあり、それらは別に………とかいうことになったので、なら分別するついでに部屋ごとに分けてちょっとした観光名所みたいにしたら面白いかもーと思って実行した。
数が数で面倒くさかったが、早めに分別しといて本当に良かったと19歳になった今では思う。
だって、その後もどんどんくるんだよ?
分別しようと決めたときはまだレオも幼かったし、キャロも生まれてなかったけど、二人のぶんも増えたときには本当に「分別部屋作っといてよかった~」と思った。
まあ、燃やしてもよかったんだが、ある意味『貴族の縮図』がそこにあり、色々と勉強になることがわかったので、そのまま『お見合い手紙部屋』は今も増えていっている。
……これは完璧な余談なわけだが。
「ん~…まあ、とりあえず、王都行くかあ…」
さて、はて。
そのための準備でもしましょうか。
さて、書いているうちに突っ込みどころ満載になってきた。
それと、お父様、こういうキャラじゃなかったのに……!
3/3
公爵、面倒だったのでいれていなかったのですが、きちんといるものだと、メールで教えてもらいました(汗)
必要だったんですねっ!
なので、いれておきます。
適当小説ですみません…




