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周りは敵だらけ

唇に真っ赤な紅を引き終わり、ゆっくりと瞼をあげる

鏡に映った背伸びをした自分の顔


真っ赤な紅が浮いているようにも思えるが

今から真っ向から敵に会う

だったら完全武装でなくてはいけない

敵はこの国の最高権力者の妻、璉国の王妃神楽


心臓を打つ鼓動が早い

落ち着けるために大きく深呼吸をしてゆっくりと椅子から立ち上がり


「行きます。」


意を決して外に繋がる扉へと足を向けた


呼びに来た女官が導くままに歩みを進める紫紋達は

敵前の前に興奮を抑えることに必死になっていた


貴婦人としてのたしなみであるゆっくりとした歩みではなく、少し早足程度の歩みとなっていた


だがどうしたわけか、どんどん王宮の建物から離れていく

煌びやかな朱色の建物から離れ、靴を履かされた


「本当にこちらか?」


正妃の間が王城内部にあるはずなのに、何故靴を履く理由があるのかと乳母である睡蓮が声を上げた

そんな睡蓮を見越したかのようにうっすらと笑った女官は


「王妃様はこちらでご政務の真っ最中です。ただ一言申し上げます。我々の王妃様にどんな理由があろうと刃を向けた貴方様をこの国は消して許しはしないことをゆめゆめ忘れませんように。夜は特にお気を付けください。」


女官が言い終わると同時に警護に当たっていた兵達の剣が鳴った

女官の口は笑みを浮かべているが瞳は怒りが含まれていた

そして周りの兵からも怒りが感じられる

紫紋達は息をのんだ

あまりに堂々とした脅迫にこの女官を責めるはずの者はいない

ここでこの女官を責めるようなことがあれば、この周りを囲む屈強な兵達の剣が抜かれる可能性がある


背筋に冷や汗が伝う


「さぁこちらです。ついてきてください、紫紋様。王妃様がお待ちです」


有無を言わせない女官の導きに紫紋達は命をかけて歩むこととなった



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