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姫の憂鬱

それから1週間の時が過ぎた

紫紋は相変わらず自室に閉じこもり王妃てきについて考えていた


王妃が頭を下げて詫びてきた

自分が最も望んでいたことなのに何故か心が晴れない

涙を流す王妃てきに自分が本当に正しかったのか疑ってしまう


(疑ってはいけない。父を貶めて母を苦しませて幾度泣いてきたことか・・・あいつは王妃は敵なのよ!!)


何度も浮かんだ答えを自分に言い聞かせる

そう思わなければいけない

なぜなら、紫紋を悩ませる事が起きていた


「紫紋様・・・その・・・また、竜祥様から・・・お届け物が・・」


言葉を濁しながら報告する睡蓮の手には抱えきれないほどの豪華絢爛な衣装や貴金属があった

あの王妃との対面以降その息子である自分の夫は毎日こうやって贈り物を贈ってくる

その内容は日によって違う物の明らかに高級品だと分かる

米神に手を当てて何度となく溜息を吐き


「私が袖を通すことはありません。見とうもない!!それを何処かにやって!!」


拒絶するように指示すると睡蓮はいつも道理に送られた物を紫紋の目の届かないところに持っていく


(冗談じゃないは!!私を物でつるつもりなの?ふざけないで!!憎たらしい!!)


苦々しい想いで大きな溜息を吐き出した


「はぁ~~。」


「姫様・・・今日は天候もよく・・そのいかがですか?外に出てみませんか?」


昔からの付き合いである睡蓮がふさぎ込んでいる紫紋に声をかけてくる


「そうねぇ。」


紫紋の機嫌とは裏腹に空は雲一つ無く晴れ渡っている


「ここにいても何も始まりません。敵情視察と行きましょう。」


笑いかけてくる睡蓮に何らかの理由を付けて紫紋を動かそうとする

ここ数日鬱ぎ込んでいる姫の姿に乳母として心配をしていた


「そうね。睡蓮の言うとおりだわ!相手のことを知らなくてはいけないわね!!」


勢いよく立ち上がり扉をくぐり抜けた


「ふぅ~~晴れ渡った空~~~」


重い空気を吐き出した

久々の空に笑みが浮かんでくる


外は王太子の庭が広がっている

色とりどりの花が咲き、大きな池の中には鯉が泳ぎ、正に楽園という物を地上に作ったかのように存在していた


「綺麗な庭ですねぇ~~」


惚けたような声を出す女官に眉を寄せるが、認めるしかないほど確かに凄かった


「にして、あちらから声がしますね。」


睡蓮が言う方から確かに声のキーが高く女性の声のようだが、どうも何か違う

声の方に釣られるように紫紋達は足を進めた







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