暗殺の花嫁
王の竜玉の未来編です。閃と神楽の息子とその花嫁の物語です。
見切り発車なのでどうなるか作者ですら分からない物語です。
晴れ渡ったある日
城の大広間では最上段に璉国王である閃王とその王妃神楽が完璧な正装に身を包み
その下段にはその長男である竜祥が婚儀の服装に着替えて座っている
間もなくで来る紗萄国の姫、紫紋姫を花嫁として迎えるために
「紫紋様のお越しにございます」
兵の声に広間にいた官吏達と将軍達は平伏した
厳かな曲が流れ紗萄国の国旗を掲げた兵が最前を歩き
女官達が貢ぎ物を掲げながら、その後を真っ赤な絹の生地に金の糸で鳥が刺繍されたドレスを纏った
花嫁がしずしずと歩いてくる
顔にはベールがかけられその顔を見ることは出来ないが
洗練された動きに深窓の姫であることを実感させた
竜祥の前で兵は止まり、女官達も足を止めた
ただ花嫁だけが歩みを止めず竜祥の一歩手前まで歩みを進めた
「竜祥殿下こちらが紗萄国の姫、紫紋様にございます。」
紗萄国の大臣がいそいそと紫紋の紹介をする
「遠路はるばるよく来られた、紫紋姫。よろしく頼む。」
竜祥は穏やかな声で紫紋姫をねぎらった
女官達が紫紋姫に近づきベールをあげた
紫紋姫は化粧のせいか教えられた年齢15歳より少し上に見えるが
竜祥を見つめる瞳は真っ直ぐに何かを決意している瞳であった
そのまま紫紋は足を進め竜祥の隣へと座る
そして最上の段にいる王と正妃に竜祥と共に平伏する
「紗萄国と璉国がこの婚儀で永久の友好を」
「「「「永久の友好を」」」」
閃王の声に兵達が一同に声を上げた
誰もが王に対して平伏している
「紫紋姫。よく来られた。息子のことよろしくお願いします。」
正妃神楽の声にピクリと紫紋姫が顔を上げた
神楽を見つめる瞳に強い意志がともった
紫紋姫は袖に手を伸ばし何かをとりだした
キラリと光るそれを手に掴むと
数歩前にいる神楽に向かって飛びかかった
その手に鋭利な小刀を持って・・・