お姉様ばっかりズルい!
エレノアお姉様は昔からずるい人でした。
いつも大勢の使用人たちからお世話をされて、髪は宝石のように艶やかで、お召し物もとっても上品に整えられていました。
アクセサリーも沢山持っていて、いつもその時の服装に合うものを一つだけ付けていきます。
覚えていらっしゃいますか? 幼い頃に、わたくしがお姉様のお気に入りのブローチを欲しがったら、ちょっと困った顔をしてから「大切にしてね」と私の頭を撫で、笑って譲ってくれましたね。
後で聞いた話では、幼い頃に離れ離れになったご友人から貰った大切なものだったみたいです。そんな大事な贈り物を嫌な顔一つせずわたくしにくれるなんて、やっぱりお姉様はズルい。
お姉様の周りにはいつも人の笑顔が絶えませんでした。
話を聞くのもお上手で、ご友人の悩みに一緒に悩んだり、時にはアドバイスもして、皆んなから頼られてましたね。
でも、お姉さまはズルいです。わたくしや人の悩みは『なんでも相談してね』、なんて言いながら、自分の悩みや困りごとは全然言わないんですもの。
わたくしだって辛い時は相談して欲しいのですわ。喜びばっかり分かち合って、辛い時は一人で抱え込むお姉様は本当にズルい。
そして一番ズルいのは、今、レナード王子殿下というとっても素敵な殿方が隣にいらっしゃることです。
勉強も運動もお姉様を目標にしてきたわたくしですが、せめて結婚だけはお姉様より先にしたいなと思っていましたのに、こんなに素敵な婚約者と、とうとうご結婚までなさるなんて。
お姉さまはズルすぎます。そして、わたくしに新しく素敵なお義兄様までプレゼントしてくださるなんて、これ以上貰ったらこの先お姉様に何を返して良いのか分からなくなってしまいました。
そして今、とっても嬉しいのに少し寂しい。
やっぱりお姉さまはズルい。とってもズルいです。
でも、大丈夫です。わたくしもお姉様に負けないようにこれからもっと頑張りますから。
だからどうか後のことはお気になさらず、安心してお嫁に行ってくださいませ。エレノアお姉様、レナード王子殿下、どうかこれからも皆様が『ズルい!』と羨ましがるくらい、たくさんお幸せになってくださいませ。
この度はご結婚、誠におめでとうございます。
欲しがり妹ちゃんから大好きなお姉ちゃんへ、結婚式のお祝いメッセージでした(^^)




