エピソード「九」 不穏と赤髪、共に(1)
ラエティに決意したセカイ。その場を後にし、情報収集のために冒険者ギルドに向かう…
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あの後、ラエティは村長さんに任せた。今すぐにでも、ヤツらに復讐したいから。
マレの町を、俺は歩く。
一つの太陽を失ったのか、街全体が少し暗く感じる。
それでも、事情を知らない人たちは楽しそうに話している。
彼らに悪気は無いのはわかっている。でも、無意識に拳に力が入っていた。
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俺は、冒険者ギルドに来ていた。情報収集に適していると思ったからだ。
「お、セカイ。昨日ぶりだな…どうした?何かあったのか?」
ラグニスは、気さくな雰囲気で話しかけてくれる。
「…別に。ただ、目標ができたんだ。」
俺は、掲示板に貼られている紙たちを順々に見ていく。
「そうか。」
それ以上、ラグニスは何も言わなかった。
そして、俺はある依頼書を見つける。
『不可解な村民消滅事件の調査:Cランク以上』
これも、奴らと関係があるのか…?
「セカイ、確かEランクだろ?俺とパーティを組めば、この依頼を受けられけど…。」
ラグニスが、俺の事を見透かしたように言う。
「あぁ。お願いだ、ラグニス。パーティを組んでくれ。」
直接的な成果には繋がらないかもしれない。でも、何があるかなんてわからない。
「分かった。だが、その前に…その武器を使うのか?」
ラグニスが、俺の腰にある折れた剣を指差す。
鞘に収めることもできず、直接布を巻いて鞘代わりにしていたのだ。
「俺行きつけの鍛冶屋がある。そこで武器を新調しようか。あと、防具もな。」
俺の着ている、薄い布の服を指差す。
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「マスター、いる?」
町外れにある、古民家のような店に入る。
店の中には、あちこちに道具や素材が転がっていた。
「ん?あぁ、ラグニスか。なんだ、友達でも連れてきたのか?」
60代ぐらいの男性が、作業を中断して立ち上がる。
「まぁな。でも、パーティメンバーでもある。」
「そうか…得意武器は?」
マスターは、俺にそう言う。
「得意武器?えと…剣しか使ったことないから、剣ですかね。」
「…もしかして、自分の得意武器を知らないのか?」
どういうことだ?得意って事は、使い続けることで得意になるんじゃないのか?
そんな疑問に答えるように、ラグニスが言う。
「人は、産まれた時から得意武器と得意属性が決まってるんだ。得意武器を使う事によって、より理想的に動けるんだ。」
つまり、産まれ持った才能…って事か。
「ついてこい、調べてやる。」
マスターはそう言い、背を向けて歩き出す。俺は、その後を追う。
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「これは、鑑定武器と呼ばれるモノだ。持ち主によって、得意武器に姿を変える不思議なもんだ。」
俺は、マスターから鑑定武器を受け取る。
「量産不可能な古代遺物だが、埋蔵量が多くて一般人でも買えるものでもある。」
その時、剣の姿だった武器が次第に小さくなっていく。
「…なるほどな。少し待ってろ、色々武器を持ってきてやる。」
すごく、しっくりくる。
体が少し軽くなった気がする。
刀身が短くても、不安にならない。
俺の手中の武器は、『短剣』に変化していた。
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「ほれ。全部俺が打ったんだ、不良品はないぜ。」
5本程の短剣が、テーブルに置かれる。
「セカイは、短剣が得意武器なんだな。まだEランクだし、これなんかどうだ?」
ラグニスが、一つの短剣を手に取る。刀身が青白く光る、片刃の短剣だ。
「ん、あぁ、これにする。いくらだ?」
俺が財布を取り出す。
「金は取らねぇよ。初回サービスだ。」
マスターはそう言い、残りの短剣を机下にしまう。
「ありがとうごさいます…」
「気にすんな。お前の目を見て、金を取る事なんてできねぇよ。」
俺の…目?
「ほら、さっさと依頼に行ってこい。」
マスターは、店の奥へと行ってしまった。
「悪いな、マスターは優しいんだけど不器用だから。」
ラグニスが、俺に対して頭を下げる。
「いいって。あの人の作品を無料で貰ったのに、文句なんて言ってられないよ。」
「そうか?それなら良いんだが…。さてと、じゃあ次は防具だな。」
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しばらく歩くと、今度は人が多い防具店の前でラグニスは足を止めた。
「俺の今の防具も、ここで買ったんだ。受注生産はできないけど、品質が高いから人気店だよ。」
店の中に入ると、店内全域が銀色に輝いているようだった。
「何かおすすめは?」
俺には、武器や防具の良し悪しは判断できないからな。素直にラグニスに聞くのが良いだろう。
「おすすめなら…これかな。コスパ最強で、かつ動きやすい。」
深緑色のシャツに大きな胸当てを着けたシンプルものだった。
「近接武器を使う奴なら、一度は着たことあると思うぞ。」
多分、ラグニスも着たことあるんだろうな。
「なら、これにするよ。ありがとう、ラグニス。」
「気にすんなって。着替えたら早速、依頼場所に行こうぜ。」
明るく俺に笑いかける。
4 CONBO!




