表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七つの先には何があるのだろうか。  作者: Sねこ
可憐、不規則な雷鳴
9/11

エピソード「九」 不穏と赤髪、共に(1)

ラエティに決意したセカイ。その場を後にし、情報収集のために冒険者ギルドに向かう…


あの後、ラエティは村長さんに任せた。今すぐにでも、ヤツらに復讐したいから。



マレの町を、俺は歩く。


一つの太陽を失ったのか、街全体が少し暗く感じる。


それでも、事情を知らない人たちは楽しそうに話している。


彼らに悪気は無いのはわかっている。でも、無意識に拳に力が入っていた。




俺は、冒険者ギルドに来ていた。情報収集に適していると思ったからだ。


「お、セカイ。昨日ぶりだな…どうした?何かあったのか?」

ラグニスは、気さくな雰囲気で話しかけてくれる。


「…別に。ただ、目標ができたんだ。」

俺は、掲示板に貼られている紙たちを順々に見ていく。


「そうか。」

それ以上、ラグニスは何も言わなかった。


そして、俺はある依頼書を見つける。


『不可解な村民消滅事件の調査:Cランク以上』


これも、奴らと関係があるのか…?


「セカイ、確かEランクだろ?俺とパーティを組めば、この依頼を受けられけど…。」

ラグニスが、俺の事を見透かしたように言う。


「あぁ。お願いだ、ラグニス。パーティを組んでくれ。」

直接的な成果には繋がらないかもしれない。でも、何があるかなんてわからない。


「分かった。だが、その前に…その武器を使うのか?」

ラグニスが、俺の腰にある折れた剣を指差す。


鞘に収めることもできず、直接布を巻いて鞘代わりにしていたのだ。


「俺行きつけの鍛冶屋がある。そこで武器を新調しようか。あと、防具もな。」

俺の着ている、薄い布の服を指差す。



「マスター、いる?」

町外れにある、古民家のような店に入る。


店の中には、あちこちに道具や素材が転がっていた。


「ん?あぁ、ラグニスか。なんだ、友達でも連れてきたのか?」

60代ぐらいの男性が、作業を中断して立ち上がる。


「まぁな。でも、パーティメンバーでもある。」


「そうか…得意武器は?」

マスターは、俺にそう言う。


「得意武器?えと…剣しか使ったことないから、剣ですかね。」


「…もしかして、自分の得意武器を知らないのか?」

どういうことだ?得意って事は、使い続けることで得意になるんじゃないのか?


そんな疑問に答えるように、ラグニスが言う。


「人は、産まれた時から得意武器と得意属性が決まってるんだ。得意武器を使う事によって、より理想的に動けるんだ。」


つまり、産まれ持った才能…って事か。


「ついてこい、調べてやる。」

マスターはそう言い、背を向けて歩き出す。俺は、その後を追う。



「これは、鑑定武器と呼ばれるモノだ。持ち主によって、得意武器に姿を変える不思議なもんだ。」

俺は、マスターから鑑定武器を受け取る。


「量産不可能な古代遺物だが、埋蔵量が多くて一般人でも買えるものでもある。」

その時、剣の姿だった武器が次第に小さくなっていく。


「…なるほどな。少し待ってろ、色々武器を持ってきてやる。」

すごく、しっくりくる。


体が少し軽くなった気がする。


刀身が短くても、不安にならない。


俺の手中の武器は、『短剣』に変化していた。



「ほれ。全部俺が打ったんだ、不良品はないぜ。」

5本程の短剣が、テーブルに置かれる。


「セカイは、短剣が得意武器なんだな。まだEランクだし、これなんかどうだ?」

ラグニスが、一つの短剣を手に取る。刀身が青白く光る、片刃の短剣だ。


「ん、あぁ、これにする。いくらだ?」

俺が財布を取り出す。


「金は取らねぇよ。初回サービスだ。」

マスターはそう言い、残りの短剣を机下にしまう。


「ありがとうごさいます…」


「気にすんな。お前の目を見て、金を取る事なんてできねぇよ。」

俺の…目?


「ほら、さっさと依頼に行ってこい。」

マスターは、店の奥へと行ってしまった。


「悪いな、マスターは優しいんだけど不器用だから。」

ラグニスが、俺に対して頭を下げる。


「いいって。あの人の作品を無料で貰ったのに、文句なんて言ってられないよ。」


「そうか?それなら良いんだが…。さてと、じゃあ次は防具だな。」



しばらく歩くと、今度は人が多い防具店の前でラグニスは足を止めた。


「俺の今の防具も、ここで買ったんだ。受注生産はできないけど、品質が高いから人気店だよ。」

店の中に入ると、店内全域が銀色に輝いているようだった。


「何かおすすめは?」

俺には、武器や防具の良し悪しは判断できないからな。素直にラグニスに聞くのが良いだろう。


「おすすめなら…これかな。コスパ最強で、かつ動きやすい。」

深緑色のシャツに大きな胸当てを着けたシンプルものだった。


「近接武器を使う奴なら、一度は着たことあると思うぞ。」

多分、ラグニスも着たことあるんだろうな。


「なら、これにするよ。ありがとう、ラグニス。」


「気にすんなって。着替えたら早速、依頼場所に行こうぜ。」

明るく俺に笑いかける。

4 CONBO!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ