プロローグ
大きな木造の教室の中で3人。古びた教室の中に15歳ほどの子供が集まっている。1人の少年は机に腰掛け、1人の少女は机の横に立ち、1人の少年は椅子に深く腰をかけている。
「このクラスとも今日でお別れだけど、これからどうすんだ?」
そういって1人の少年は集まっている2人に聞いた。
「私は魔法を使ってこの国を救いたい」
少女はそう目を輝かせていつつもキリッとした顔で覚悟を決めたかのように答えた。
「僕は自分の作った道具たちで国の人たちの生活を豊かにしたい」
彼は少女とは違い今までも同じ疑問に出会った時にもまったく同じ回答をしているかのように、落ち着きのあまりテンプレートがあるかのように答えた。
「そうなんだ。お前たちはもう夢もやりたい事も決まったんだな」
少年の顔には少し寂しさを感じさせるような表情で天井を見る。その表情からは自分にはないやりたい事や夢が同じ年の親しい少年少女にあることに対してにも感じる。
「まあ、この学校が終わったところでこの村は小さいし、いつか村から出ていくまで嫌でも関わることになるだろうし」
話を変えるかのように勢いよく話し始めた。
「そうね」
いつもはあまり表情に出ない少女も口角を少し上げる。
「そろそろ僕も帰って新しい動画の作成に取り掛からないと」
そう言っていつもの帰る時と同じように荷物を持った。そして、3人揃って玄関まで行き3方向に別れる学校の前まで行く。
「じゃあまた」