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夜の神社2

コインパーキングに車を止めて少し歩き出す。夜の住宅街は昼間の面影を失い、窓の明かりもまばらで、どこか人の気配が薄い。周辺は神域に近いせいか、妙に静まり返っていて、空気が重く感じられた。

「なんか、雰囲気違うね」

「うん……さっきまで街の音がしてたのに、ここは急に静かすぎる」

「声、ちょっと潜めたほうがいいかも」

「そうだな……」

二人は自然と囁くような声になり、本殿へ向かって歩いていく。石畳を踏む靴音が乾いた響きを返し、まるで時が止まったかのような静けさの中に溶け込んでいった。

「……誰もいないよね?」

「うん、でもなんか見られてる気がする」

「気のせいだと思いたいけど……」

境内に近づくにつれ、街灯の光は届かなくなり、木々の影が濃く重なっていく。虫の鳴き声も風の音もなく、耳に届くのは足音と囁くようなお互いの声だけ。

「ここ、昼間はもっと明るいんだよね?」

「そう。人もいて賑やかなんだけど……夜は別世界みたいだ」

「なんか、境界を越えた感じがする」

「鳥居をくぐったからかな……」

二人の言葉は途切れ途切れになり、歩みは自然と慎重になっていく。背筋に冷たいものが走り、ただの静けさではない“何か”が潜んでいるような気配が漂っていた。

「……さっきから、足音が一拍遅れて響いてない?」

「え?」

「ほら、俺たちの歩幅と少しずれて……」

「やめてよ、怖いこと言わないで」

「いや、気のせいならいいんだけど……」

鳥居が見えてきた瞬間、二人は思わず足を止めた。闇の中に浮かび上がる朱色の輪郭は、まるで別世界への入口のようで、そこをくぐればもう戻れないのではないかという不安が胸を締め付けた。

「……行く?」

「せっかく来たんだし……でも、なんか嫌な感じするね」

「うん……でもここまで来たら、もう少しだけ」

二人は互いに目を合わせ、鳥居へと歩みを進めた。

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