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初詣の帰り道で後日譚

次の日。

バイトへ行く時間になっても、まだ昨日の恐怖が身体に残っていた。

親もそれを察していたのか、

「今日は送っていくから」

と、珍しく車を出してくれた。

バイト先に着くと、昨日一緒に初詣に行った2人が休憩室にいた。

「昨日さ……帰り道でな」

そう切り出して、

白い服の人影、カナヅチ、追いかけられたこと、

交番に駆け込んだことまで全部話した。

2人は顔を見合わせて、同時に言った。

「なにそれ、めっちゃ怖いやん……」

「えっ?そんなことある?」

信じられない、というより、

“想像したくない”という顔だった。

そこへ、ちょうどマネージャーが入ってきた。

「なんの話?」

事情を説明すると、マネージャーは黙ったまま腕を組み、しばらく考え込んでいた。

「えっ?なんかあるんですか?」

そう聞くと、マネージャーはため息をひとつついて、ぽつりと呟いた。

「いや……それ、丑の刻参りしてたんちゃうかなって思ってさ」

空気が一瞬で変わった。

「丑の刻参りって……あの、藁人形の……?」

「そう。あれって見られたらアカンってルールやったはずやで。見たやつ殺せば大丈夫らしいけどな」

あまりにも淡々と、まるで天気の話でもするみたいに言う。

そのまま椅子に座り、コーヒーを飲み始めた。

俺も2人も、言葉が出なかった。

マネージャーの横顔を見ながら、心の中で思った。

この人、何気に怖いこと知ってんな……

背筋に、昨日の夜とは別の種類の冷たいものが走った。

あれ以降、怖かったはずなのに、怖い話や不思議な話に興味を持ってしまった。

好奇心は猫をも殺すと言うけれど、

そんな危うさを感じつつも…

あの夜を思い出すたびに、どうしても興味が尽きない。

あの足音だけは、今でも耳の奥に残っている。

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