表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
371/373

初詣の帰り道で2

参拝を終えて、ふと誰かがポケットからスマホを取り出した。

「……え、もう1時間以上経ってるやん」

「マジか。やば、帰らな」

「親に怒られるわこれ」

三人で慌てて石段を降りる。

走ると砂利が跳ねて、さっきまでの静かな境内が遠ざかっていく。

参道を抜けて街灯のある道に出ると、自然とまた会話が戻ってきた。

「てか今日めっちゃ楽しかったな」

「分かる。なんか正月っぽかったわ」

「明日バイトやろ?起きれんの?」

「無理。絶対寝坊する」

「知らんぞー」

そんなくだらない話をしながら、時間を確認しては「やばいな」と笑い合う。

店の前まで戻ると、三人で軽く手を振った。

「じゃあ明日もバイトよろしくー」

「おつかれー」

「気ぃつけて帰れよ」

それぞれの帰る方向に歩き出すと、さっきまでの賑やかさがふっと途切れた。

俺は自転車に跨り、ペダルをゆっくり踏み込む。

街灯の下を通るたびに影が伸びて、また縮む。

さっきまで笑ってた声が、まだ耳の奥に残っているのに、返事をしてくれる相手はいない。

冬の夜の静けさが、急に胸の奥に落ちてきた。

楽しい時間が終わったあとの、あの独特の寂しさがじわじわ広がっていく。

ペダルを踏む音だけが、一定のリズムで続いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ