相談の末に 後日譚
その日は、大人しく喫茶店の近くのコインパーキングに車を入れ、店に戻って店員さんに車の移動を伝えた。
「ご友人様は……大丈夫ですか?」
心配そうに聞かれ、俺は少し間を置いてから、
「……多分、大丈夫です」
そう答えるしかなかった。
その後、友人宅に車を置き、タクシーでコインパーキングへ戻った。
それから一週間、何の連絡もなかった。
宮司さんにこちらから連絡するのも憚られ、
ただ、待つしかなかった。
そんなある日、友人からメッセージが届いた。
『迷惑かけた。時間ある時に会いたい』
その通知を見たちょうどその時、
スマホの画面に宮司さんの番号が表示された。
電話に出ると、落ち着いた声で言われた。
「彼を無事に返しました。
今度、時間がある時に“あなた一人で”来なさい」
「はい。今回も……お世話になりました」
そう言うと、宮司さんは少しだけ声を低くした。
「言われることは分かっていると思いますが……
きちんと、次の休みに来なさい」
返事をする間もなく、電話は切れた。
友人には、
『鍵返すから、空いてる日教えてくれ』
とだけ伝えた。
彼が無事に帰ってきてくれたことに、胸の奥がじんわりと温かくなる。
……ただ、その後に待っているであろう“お叱り”を思うと、少しだけ気が重かった。
「まぁ……彼の無事には替えられん対価か」
そう呟いて、ふと空を見上げた。
秋晴れの空は、何事もなかったかのように澄んでいて、思わず力の抜けた笑いが漏れた。




