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カラオケでの相談6

女の子は、グラスを両手で包むように持ちながら、

少し震える声で話し始めた。

「実は……家で変なこと起こるんです。 その……夜中に、部屋を人が歩き回るような音がして……」

そこまで言うと、視線が泳いだ。

どこまで話していいのか、迷っているように見える。

「それから……毎日、部屋に長い黒髪が落ちてるんです。 決まって、玄関の靴の前に。私の髪、茶色いんで……私のじゃないんですけど……」

言い終えると、震える手でグラスを持ち上げ、

一口だけ飲んで息を整えた。

友人は、さっきの件もあってか遠慮がちに俺へ視線を向ける。

「どや……似た話、聞いたことないか……?」

もう一人の女の子も、心配そうに身を乗り出してくる。

「どうですか……?」

ふむ、と俺は少し考えた。

黙っていると不安になるのだろう、三人ともじっとこちらを見つめている。

俺はまず、事実を整理するために尋ねた。

「それ……いつ頃から?」

彼女は眉を寄せて少し考え込み、

「……1ヶ月くらい前です」と答えた。

「そこ、大事やから。間違いない?」

「……はい」

小さく頷く。

「その頃、なんかあった?

 変なとこ行ったとか、誰かから物もらったとか、

 中古品買ったとか」

そう聞くと、彼女は「あ……」と小さく声を漏らした。

「フリマアプリで……姿見を買いました。

 アンティークの……姿見です。

 オシャレだし、いいなと思って……

 値段も、ほぼ無料みたいな金額で……」

そこまで聞いて、(それが原因じゃね?)と心の中で思う。

だが、断定はできない。

あくまで“可能性のひとつ”にすぎない。

俺はグラスを指先で軽く回しながら、慎重に言葉を選んだ。

「……なるほど。 話の流れ的には、その姿見が関係してる可能性はある。けど、まだ断言はできへん。 もう少し詳しく聞かせてもらってもええ?」

女の子は不安そうに唇を噛み、もう一人の子がそっと背中をさすった。

「大丈夫。

 ゆっくりでいいから。

 ね?」

その言葉に、彼女は小さく頷き、再び口を開こうとしていた。

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