カラオケでの相談5
はぁ、と深く息を吐き、俺は友人の方へ身体ごと向き直った。
グラスをテーブルに置く音が、やけに大きく響いた気がする。
「次やったらぶちのめすぞ」
声は自然と低くなり、自分でも驚くほどドスが効いていた。
「今回はちゃんと話も聞くけどな。
騙すようなことするなら……二度と会わんぞ」
言い終えた瞬間、部屋の空気が少しだけ張りつめた。
友人はバツの悪そうな顔をして、視線を逸らしながら「……すまん」とだけ呟いた。
向かいの女の子たちは、さっきまでの軽い雰囲気との落差に驚いたようで、肩をすくめるようにして目を丸くしていた。
俺はその空気を和らげるように、できるだけ柔らかい声で言う。
「とりあえず……話してくれるかな?
今回、君たちには怒ってないからさ」
女の子たちの表情が少しだけ緩む。
全く困った友人だ、と心の中で呟きながら、俺は姿勢を少し前に傾けて聞く姿勢を作った。
一人の女の子が、オドオドと指先をいじりながら口を開く。
「えっと……
その……」
声が震えている。
さっきの俺の言い方が刺激になったのだろう。
申し訳なさが胸に広がる。
「ゆっくりでいいよ」
俺は穏やかに言った。
「まとまらんでもええ。思いつくまま喋ってくれたらいい。後で俺がまとめてみるから。まずは、話してみて」
そう促すと、もう一人の女の子がそっと彼女の背中を押すように言った。
「ほら、大丈夫だよ。怒ってないって言ってくれてるし、ちゃんと話聞いてくれるって言ってるんだから」
その言葉に、オドオドしていた子は小さく頷き、深呼吸をひとつしてから、ようやく本題へと口を開こうとしていた。




