カラオケでの相談4
部屋に入ると、四人で向かい合うように席に着いた。
俺は友人の隣を選び、持ってきたグラスをテーブルにそっと置く。
コーヒーの湯気がまだ薄く立っていて、その香りがふわりと鼻に届いた。
席に落ち着くと、友人が軽く手を叩いて紹介を始めた。
「この二人はな、こないだ飲みに行った時に仲良なった子と、その友達や。 んで、こっちのが……こないだ飲んでた時に言うてた、怪談とか不思議な話集めてるちょっと変わった友達や」
さらっと言い切る友人に、俺は思わず睨みつける。
「お前、外で俺のことどんな風に言うとんねん」
しかし友人は悪びれた様子もなく、むしろ楽しそうに肩を揺らして笑った。
「いやいや、不思議な話あればあっちへフラフラ、こっちへフラフラ取材に行くやつやろ?」
その言い方に、向かいの女の子たちは口元を押さえて笑っていた。
からかうような笑いじゃなく、“ほんまに仲ええんやな”とでも言いたげな柔らかい笑い方だった。
一人の女の子が、笑いながら言う。
「仲がいいんですね」
そう言ってから、ふとこちらに視線を向けてくる。
「お兄さんは……怖い話、平気なんですか?」
俺はグラスを軽く持ち上げながら答えた。
「まぁ、怖い話も不思議な話もよく聞くし、自分から聞きに行くのは……間違ってないね」
その返事を聞いた二人は、顔を見合わせて小さく頷き、次に友人へ視線を送った。
友人は、さっきまでの軽い表情とは違い、少しだけ真面目な顔になって俺を見る。
「お兄さん、ちょっとこの子の話、聞いてみてくれませんか?」
俺は肩をすくめた。
「ええけど、先に言うとくで。俺は聞くことはできても、他は何もできんで。解決とか、そういうのにはならへんからな」
すると友人は即答した。
「聞くだけでええねん。とりあえず、お前の集めた話の中に類似の話あるか知りたいねん」
なんでやねん、と心の中で突っ込みながら、ああ、これは完全に嵌められたな、と悟る。
テーブルの下で、俺は友人の太ももを思いっきりつねった。
友人は「いっ……!」と声にならない声を漏らし、
女の子たちは何も知らずに微笑んでいた。




