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カラオケでの相談3

友人を先頭に、俺たちはカラオケ屋の自動ドアをくぐった。

外の冷たい空気とは違い、店内はほんのり暖かく、

受付のあたりには甘い香りの消臭剤が漂っている。

入口の扉が思ったより重かったので、俺は手で押さえながら後ろを振り返り、「どうぞ」と軽く会釈して女の子二人を先に通した。

二人は少し驚いたように目を丸くし、「ありがとう」と小さく笑って店内へ入っていく。

友人が受付に歩み寄り、慣れた調子で自分の名前を伝える。

店員がパソコンを操作し、「○○号室になります」と部屋番号を告げ、ドリンクバー用の透明なグラスを人数分カウンターに並べてくれた。

俺はそのうちの一つを手に取る。

冷たいガラスの感触が指先に心地よい。

ドリンクバーの機械の前に立ち、グラスをそっと置いてホットコーヒーのボタンを押す。

黒い液体が静かに注がれ、立ち上る香りがふわりと鼻をくすぐった。

グラスの側面がじんわり曇り、温度差で薄く白い膜が広がる。

その様子をぼんやり眺めながら、俺はグラスを両手で包み込むように持ち上げた。

部屋へ向かう廊下は、遠くの部屋から漏れる歌声が混ざり合い、どこか懐かしいようなざわめきが漂っている。

けれど胸の奥には、急に女の子がいる状況への落ち着かなさが残っていた。

歩きながら、俺は友人の背中に向かって小声で言う。

「せめて誘う時に一声言っとけよ」

友人は振り返らず、肩を揺らして笑った。

「ええがな。お前好みの話もあるしな」

その言い方が妙に含みがあって、何を企んでるんだこいつは、と言い返したくなる。

けれど友人はそのままスタスタと歩いていき、女の子二人も自然とその後ろに続いた。

俺は小さくため息を吐き、温かいコーヒーのグラスを持ち直しながら歩調を合わせる。

廊下の奥へ進むほど、歌声と笑い声が少しずつ大きくなり、これから始まる時間の気配がゆっくりと近づいてきていた。

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