カラオケでの相談2
できたナポリタンを皿に盛り、湯気の立つそれをテーブルへ運ぶ。
ついでにスマホで音楽を流すことにした。
今日はなぜか、ボン・ジョヴィみたいなロックがしっくりくる。
重低音の効いたイントロが部屋に広がる。
「いただきます」
誰に向けるでもなく呟いて、フォークを手に取る。
ひと口食べて、うん、ちゃんと上手い。
ケチャップの甘さとベーコンの塩気がちょうどいい。
満足しながら、車で行くか歩いて行くかをぼんやり考える。
どっちもありだなと思いつつ、腹の膨れ具合から歩きで行くかと独りごちた。
食べ終わった皿を流しに運び、軽く洗って乾燥棚へ置く。
上着を羽織り、Bluetoothイヤホンを耳に差し込むと、さっきのロックの続きを再生する。
外に出ると、冬の空気が少しだけ頬を冷やした。
カラオケ屋までは徒歩10分。
いい運動になるだろう。
音楽に合わせて軽くリズムを取りながら歩いていく。
約束の時間より10分早く着いたので、
「着いたぞ」と友人にメッセージを送る。
返ってきたのは「もうちょいや」。
店の入り口付近には、俺以外に二人の女の子が立っていた。
待ち合わせかな、と思いながら壁に背中を預け、目を閉じて音楽に耳を傾ける。
数分後、友人がやってきた。
「おぅ、お疲れ」
声をかけた瞬間、入口にいた女の子たちが同時にこちらを振り向いた。
一瞬、彼女たちの表情に「えっ、知り合い?」という驚きが浮かぶ。
そのあとすぐ、友人の顔を見つけてぱっと明るくなり、「久しぶり!」 「やっと来たー!」
と声をかけに来た。
俺がぽかんとしていると、友人はイタズラが成功した子どもみたいに笑って言う。
「サプライズ出来たな」
その笑顔につられて、俺も思わず笑ってしまった。




