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自販機で1

夜中、ふと目が覚めた。

喉がひどく乾いている。

口の中が少しだけ熱を持っていて、

息を吸うたびに、その乾きが余計に気になった。

部屋の空気は、夜なのにまだ重かった。

窓を少し開けて寝ていたはずなのに、湿気がじっとりと部屋に溜まっていて、布団の中の熱が抜けていない。

冷蔵庫を開けたが、冷たいものは何ひとつ残っていなかった。

お茶も、ジュースも、氷すらない。

冷気だけが顔に当たって、その一瞬だけ少し楽になる。

でも、炭酸の喉ごしが欲しい。

あの、最初の一口で喉の奥が“キュッ”と冷える感じ。

それだけを想像して、余計に喉が渇いた。

仕方なく、軽く上着を羽織って外に出た。

玄関を出た瞬間、

むわっとした熱気が身体にまとわりついてくる。

夜風なんてものはなく、

空気そのものが湿った布みたいに重い。

歩き出すと、背中に汗がゆっくり滲んでいくのが分かった。

動くたびに上着の内側に熱がこもって、脱ぎたいのに、脱いだら脱いだで、肌にまとわりつく夜気が嫌で、結局そのまま歩く。

家から自販機までは五分ほど。

街灯の光が湿気に滲んで、ぼんやりとした輪をつくっている。

その輪をひとつ抜けるたびに、空気の重さが少しずつ変わる気がした。

角を曲がると、自販機の白い光が、湿った夜の中でぽつんと浮かんでいた。

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