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通勤で視えたもの4

毎日続くこの状況に、さすがに異常だと感じ始めていた。

最初は気のせいだと思い込もうとしていたけれど、

あの女性が、確実に、少しずつこちらへ向いてきている。

恐怖はある。

けれど同時に、

「もし、あれが完全にこちらを向いたらどうなるのか」

そんな好奇心にも似た感情が、胸の奥でじわりと膨らんでいた。

怖いのに、目が離せない。

見てはいけないのに、見てしまう。

そんな葛藤を抱えていた日のことだ。

スマホが震えた。

画面を見ると、友人からのメッセージだった。

「よう、明日の夜、暇なら久しぶりに飲まないか」

明日は金曜日。

仕事も落ち着いているし、定時で帰れるだろう。

そう判断して、

「ええよー、いつもの居酒屋か?」

と返すと、

「せやな」

と短く返ってきた。

「なら、仕事終わりに連絡するわ」

「了解」

そんなやり取りを終えたあと、ふと、友人の顔が頭に浮かんだ。

……あいつなら、何か分かるかもしれない。

彼は昔から、少し変わった体質だった。

見えるとか、感じるとか、そういう話を冗談めかして言うことがあった。

普段は気にしないが、今の自分には、その“少し変わったところ”が妙に頼もしく思えた。

この神社の話をしてみようか。

あの女性のことを話せば、何かしらの糸口が見つかるかもしれない。

そう思った瞬間、胸の奥に、ほんの少しだけ安堵のようなものが生まれた。

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