同窓会にて4
そうこう話していると、
入口の方でガラッと扉が開く音がした。
「お前ら、昔と変わらず騒がしいな。
下まで声聞こえとるぞ」
その声に振り返ると、恩師が立っていた。
「お久しぶりです!」
「先生、痩せました?」
「老けましたねー!」
口々に声が飛ぶ。
「当たり前やろ。
お前らも十分オッサンやないか。
お前らよりちょっと年上の頃に、
お前らの先生しとったんやぞ」
そう言って笑いながら席につく先生の姿に、
十年前の“あの教室”が一瞬だけ重なった。
幹事が前に出て、「全員揃ったな」と声を上げる。
やはりクラス全員というわけにはいかなかったか、
そう思いながら、店員が飲み物を運んでくる。
俺は烏龍茶を頼んだ。
「飲まへんのかーい!」
周りから突っ込まれ、
「酒はやめたー」
と返すと、
「ついに更生したか」
「誰が更生やねん」
と笑いが起きる。
幹事が恩師に乾杯の音頭を頼む。
先生はグラスを軽く持ち上げて、
「今回は、同窓会に呼んでくれてありがとう。
全員ではないけど、こんだけのクラスメイトが揃う同窓会も珍しい。みんな今日は楽しもう。
乾杯」
その言葉で、
一斉にグラスが触れ合う音が響いた。
黒い髪が自慢だった先生も、
今ではすっかり白髪になっていた。
その姿に、懐かしさと、
どうしようもない時の流れを感じる。
料理が運ばれ、
皿が並び、
誰かが笑い、
誰かが昔話を始める。
「覚えてるか? あの実習で…」
「お前が失敗したやつやろ」
「いやいや、お前やって!」
そんなやり取りがあちこちで起きて、
宴会場はあっという間に十年前の空気に戻っていった。
ワイワイと楽しく飲み食いしながら、
“ああ、帰ってきたんやな”
と胸の奥がじんわり温かくなる。




