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同窓会にて3

宴会場に入ると、仲の良かった友人やクラスメイトたちが、すでにかなり揃っていた。

ざわざわとした声、

テーブルに並ぶまだ手のつけられていない料理、

ビールの栓を抜く音、誰かの笑い声。

その全部が、

十年前の放課後の教室の空気と重なって見えた。

「おぅ、珍しく遅いやん。

 お前いつも一番乗りやったのに、おらんから来んのか思ったぞ」

そう言われ、

「俺も落ち着いたってことやで」

と笑いながら答え、空いていた席に腰を下ろす。

「最近どうなん?」

「いや、もう仕事忙しいわ。

 そういや結婚もしたねん。お前は?」

「俺? 俺は相変わらず独身貴族様よ」

「はよ親孝行せなあかんやろー」

「いやいや、まだ墓場には入れんな。

 趣味の合う人もなかなか見つからんしな」

「お前、相変わらず凝り性な上に多趣味してんのか?

 そら見つからんぞ。周りからも言われるやろ」

そんな軽口を交わしていると、

別の友人がこちらに気づいて手を振ってきた。

「おーい! お前来とったんか!

 ほら見てみ、こいつ全然変わってへんやろ?」

「変わってへんのはお前やろ。

 その髪型、高校の時からずっと同じやんけ」

「うるさいわ、これが落ち着くんや」

周りがどっと笑う。

笑い声の質が、十年前とまったく同じで、

胸の奥がじんわりと温かくなる。

「そういや覚えてるか?

 あの時の文化祭の実験、失敗して煙モクモクになったやつ」

「お前がビーカー割ったやつやろ」

「いやいや、あれはお前が薬品量り間違えたんやって」

「どっちでもええわ、先生めっちゃ怒っとったな」

また笑いが起きる。

その笑い声の中に、当時の白衣の匂いや、

実習室の薬品の匂いまで蘇ってくるようだった。

「しかし十年って早いなあ」

「ほんまやな。

 こうして集まったら、なんか昨日の続きみたいやわ」

誰かがそう言うと、周りの何人かが静かに頷いた。

グラスの触れ合う音、

誰かが椅子を引く音、

注文を取りに来た店員の足音。

その全部が、懐かしさと今が混ざり合うように響いていた。

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