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近所の公園で2

コインランドリーで乾燥機が回っている間も、

さっき公園で見た子供の姿が、妙に頭のどこかに引っかかっていた。

普段、あの公園は朝から子供が遊ぶような場所じゃない。

狭くて、遊具も古くて、

冬の朝はいつも、霜の気配だけが静かに沈んでいる。

なのに、あの子はひとりで立っていた。

ブランコにも触れず、ただ地面を見ていたように見えた。

その姿が、どうにも朝の空気に馴染んでいなかった。

乾燥機が「ピッ」と短く鳴り、

その音がやけに大きく響いた気がして、思考が途切れる。

洗濯物を取り出して袋に詰めていると、

スマホが震えて通知が入った。

「親戚の子供が来るから、ジュースを追加で買ってきて。」

まだ家には来ていないはずだ。

準備のために頼まれたのだろう。

めんどくさいと思いながらも、

車を出して近くのスーパーへ向かう。

店内の暖房が妙に暑く感じて、

外に出た瞬間の冷たい空気が少し心地よかった。

買い物を済ませ、家へ戻る道で、

自然とまた公園に目が向く。

……誰もいない。

ブランコも滑り台も、

さっきよりも静かに、冬の朝の色に沈んでいる。

まるで最初から誰もいなかったみたいに、

空気がきれいに整っていた。

やっぱりどこかの家の子だったんだろう。

そう思いながら車を停め、玄関に入る。

「車、別の駐車場に置いてきて」

母親の声がすぐに飛んできて、

そのまままた外へ出る。

正月の朝特有の、

落ち着かない忙しなさだけが家の中に満ちていて、

さっきの静かな公園の光景が、

逆に胸の奥でじわりと浮かび上がった。

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