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骨董市のお茶碗1

地元の大きな公園で骨董市が開かれると、

さっきネットで見つけた。

バスで行ける距離だし、

特に予定もない。

行ってみるかと思い、

スマホでプレイリストを開いてイヤホンを繋げ、

最近よく聴く曲を流しながら

バス停へ向かって歩き出す。

秋の気配が近づいて、

暑さはだいぶマシになってきた。

まだ少し汗ばむけれど、

風が吹くとその汗がすっと引いて、

肌の表面だけ涼しくなる。

バス停に着くと、

ベンチの影が思ったより長く伸びていた。

季節が変わると、

同じ場所でも空気の色が違って見える。

バスに揺られて十分ほど。

車窓から見える街路樹の葉が、

ところどころ黄色くなり始めている。

公園の最寄りで降りると、

風の匂いが少し変わった。

土と草の湿り気が混ざった、

夏の終わりと秋の始まりの匂い。

公園の入口に近づくにつれて、

音が増えていく。

子どもの笑い声、

犬の鳴き声、

ジョギングの足音、

ベビーカーの車輪が砂利を押す音。

それぞれははっきり聞こえるのに、

どれも少しだけ遠くに感じた。

白いテントがいくつも並んでいて、

その周りだけ人が集まっているのに、

ざわめきが空気に溶けて、

耳に届く前に薄まっていくようだった。

その薄まったざわめきの中で、

自分の足音だけがやけに軽く響いた。

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