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イベントで視えたもの4

少し話をしながら、

顔見知りのカメラマンに順番に声をかけていった。

「お久しぶりです」

「今日、思ったより寒いですね」

「風、強いなぁ」

そんな軽い挨拶でも、

久しぶりに会う人の表情や声の温度が、

昼前の曇り空の下でじんわりと馴染んでいく。

機材の話になったり、

最近どこで撮ったかの話になったり、

「この前の写真、見ましたよ」と言われて少し照れたり。

イベントが始まる前の、

あのゆるい時間がゆっくり流れていた。

友人は友人で、

別のカメラマンと機材の話で盛り上がっている。

三脚の高さの話や、

新しく買ったライトの話。

笑い声が風に流されて、

遠くで誰かが同じように笑っているのが聞こえた。

ふと視線を向けた先に、

自分がやっているゲームのキャラのコスプレイヤーさんが見えた。

衣装の色味や質感が、

曇り空の下でもはっきり分かる。

「ちょっと声かけてくるわ」

友人に一声かけてから、

そのレイヤーさんの方へ歩いていく。

声をかけると、

思っていたよりも柔らかい笑顔で迎えてくれた。

撮影をお願いすると、

「ぜひお願いします」と快く頷いてくれる。

撮影中、

衣装の細かい部分やキャラの話を少しだけした。

自分が好きな作品の話を共有できる時間は、

短いのに妙に濃い。

撮らせてもらった写真を確認しながら、

データ交換用にSNSの交換まで済ませる。

「また機会があればお願いします」と言われ、

こちらも自然に笑って返した。

別れたあと、

振り返ると友人がこちらを見つけて手を振っていた。

機材のストラップを直しながら、

「どうやった?」と軽く笑う。

そのまま何事もなかったように合流し、

昼前の曇り空の下をゆっくり歩き出した。

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