ダーツの帰りに1
休日の昼前、ふと思い立って家の近くのネットカフェへダーツをしに行くことにした。
三ヶ月ぶりだ。
玄関を開けた瞬間、ひんやりした空気が頬に触れた。
冬ほど刺さらないけど、夏の名残はもう完全に消えていて、
秋特有の乾いた匂いが混じっている。
空は高くて、雲が薄い。
陽射しは強くないのに、どこか輪郭だけがはっきりして見える。
こういう日の空気は、歩くだけで気持ちが落ち着く。
マイダーツのケースを腰に付けると、金具が冷えていて少し驚いた。
季節が変わったんだな、とその瞬間だけ実感する。
車に乗り込み、エンジンをかける。
フロントガラス越しに見える街路樹は、ところどころ色づき始めていて、
風が吹くたびに葉がゆっくり揺れた。
レゲエを流すと、低いビートが車内に広がる。
秋の空気とレゲエの組み合わせは妙に相性がよくて、
窓の外の景色が少しだけ柔らかく見えた。
道路は空いていた。
信号待ちでふと外を見ると、歩道を歩く人たちの服装がまちまちで、薄手のシャツの人もいれば、軽いジャケットを羽織っている人もいる。
季節の境目らしい、落ち着かない感じが街全体に漂っていた。
久しぶりに投げると思うと、胸の奥がじんわり温かくなる。
特別な予定もない、ただの休日。
でも、こういう空気の日は、なんとなく外に出たくなる。
それだけの、穏やかな秋の昼だった。




