視えちゃったもの1
とある休日の昼下がり、ゆっくり淹れたコーヒーを飲みながら、ぼんやりと窓の外を眺めていた。特に予定もなく、ただ時間が流れていくのを楽しんでいたところで、スマホが震えた。
画面を見ると、霊感があると言っていた友人からのメッセージだった。
俺が怖い話や不思議な話を集めているというのを、どこからか聞きつけて、共通の友人を介して「一度話を聞いてくれ」と連絡してきたのが、そもそもの付き合いの始まりだ。
それ以来、彼はやたらと“視える”体質らしく、折に触れて色んな話を教えてくれる。
そんな彼から、
『話をしたい。できるだけ急ぎで』
とだけ送られてきていた。
おやおや?
普段はスタンプやら軽口やら混ぜてくるくせに、今日は妙に素っ気ない。
とはいえ、別に珍しいほどでもないか、と予定表を開く。
今日なら空いてる、と返すと、
すぐに既読がついて、
『助かる。今から行ってもいいか』
と返ってきた。
家に来られても困るほどじゃないが、
休日の昼下がりに人を呼ぶのも、なんとなく気分じゃない。
外で会った方が気楽だし、話もしやすい。
『駅前の喫茶店でどう?』
と送ると、
『了解。二十分くらいで行く』
と返ってきた。
コーヒーの残りを飲み干し、カップを流しに置く。
軽く身支度を整えて外に出ると、空気は少し暖かくて、歩くにはちょうどいい気温だった。
駅前の喫茶店までの道は、休日らしく人もまばらで、
ゆっくり歩いても十分に間に合いそうだった。




