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カメラマンへの囁き4

「その子だけなん?」

俺がそう聞くと、撮影仲間はすぐに頷いた。

「おぅ。あの可愛い子や」

「あぁ、あの子か。愛想ええし、撮りやすかったよな」

「せやろ。あの子、ほんま撮りやすいねん」

そこまでは、いつもの雑談みたいな空気だった。

「でもな……俺だけなんや」

「え、どういうことや」

撮影仲間は、コーヒーを持ち上げかけて、また置いた。

「他のカメラマンは誰も言わへんねん。

 その子自身も聞こえてへんって言うし」

「俺も撮ったけど、何も聞こえんかったで」

「やろ? だから余計に気持ち悪いねん」

撮影仲間の声が少しだけ低くなった。

「なんで俺だけなんやろって、ずっと思っててな」

俺は腕を組みながら、ふとあることを思い出した。

「そういやさ。SNSであの子、

 彼氏できたって言ってなかったか?」

軽く言ったつもりだった。

撮影仲間は一瞬だけ目を細めて、

「おぅ、それは聞いてる」と答えた。

「俺自身、撮影できればそこは気にしてへんねん。

 別に嫉妬とかそんなんちゃうし」

「いや、分かってるよ。お前そういうタイプちゃうし」

「せやろ。だから……なんか関係あるんか?」

撮影仲間は、俺の顔をじっと見た。

その目が、さっきより少しだけ不安そうだった。

「いや……なんとなく思っただけや」

そう言いながらも、胸の奥に

小さな違和感が沈んでいくのを感じた。

撮影仲間は、コーヒーを両手で包むように持ちながら、ぽつりと呟いた。

「……続き、聞くか」

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