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カメラマンへの囁き1

久しぶりに撮影仲間から連絡が来た。

「お茶しない?」

そんな誘い方をするやつじゃなかったから、

少しだけ胸の奥がざわついた。

けれど、特に予定もなかったので「いいよ」と返した。

近くのファミレスで待ち合わせることになった。

店に着くと、もう席に座っていた。

窓際の席で、ストローの袋を指でくるくる回しながら、俺に気づくとニヤニヤと笑った。

「久しぶり」

その笑い方が、昔と同じで少し安心した。

向かいに座りながら、

「なんかあったん?」と軽く聞くと、

「まぁ、先に注文しよか」

とだけ言って、メニューを開いた。

その言い方が、妙に引っかかった。

「とりあえず長なりそうやな」と笑いながら言うと、

撮影仲間もつられて少しだけ笑った。

店員が来たので、フライドポテトとドリンクバーを頼む。

撮影仲間はホットコーヒーだけを静かに注文した。

メニューを閉じると、さっきまでの軽い空気が

どこかへ消えていた。

こいつは少し霊感がある。

“視える”んじゃなくて、“聞こえる”タイプ。

撮影中でも、誰も気づかないような音に

ふっと顔を向けることがある。

そのせいで、妙な話を持ち込んでくることも多かった。

だから今回も、また何か面白い話でも持ってきたんかと思っていた。

「で、今日はどんな話やねん」

軽くそう振ると、撮影仲間はコーヒーカップの取っ手を指でなぞりながら、少しだけ視線を落とした。

「いや……今回は、そういうんちゃうねん」

その言い方が、妙に重かった。


「俺自身の話や」


そう言った瞬間、店内のざわつきが

少し遠くなった気がした。

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