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冬のソロキャン6

話を聞いていると、何故か胸騒ぎが止まらなかった。

ゾワリとした、背中を指でなぞられたような怖さに近い不安感が、じわっと広がっていく。

それを悟られたくなくて、あえて明るく言った。

「何が“違う感じ”だったんだよ?

 初めてのソロキャン、しかも冬場ならそうなるやろ?」

友人はビールのジョッキを指先で回しながら、少しだけ首を振った。

「いや、そういう緊張とかじゃねぇんだよ。

 なんか……誰かに見られてるのを気にしてる感じでよ」

「見られてる?」

「そう。ずっと周りキョロキョロしててさ。

 俺が話しかけても、なんか上の空っていうか……」

友人はそこで一度言葉を切り、

焼き鳥の皿を指で軽く押しやって、続けた。

「とりあえず明るく話してたんだよ。

 “薪は足りてる?”とか、“火起こしできる?”とかよ」

「お前、完全に世話焼きのおっさんやん」

「うるせぇわ。困ってそうやったんだよ」

「はいはい」

「でもよ、そしたら相変わらず“頑張ります…”しか言わねぇんだよ。

 なんか、会話になってねぇっていうか……」

友人は眉を寄せながら、手元のジョッキを見つめた。

「だから俺、自分の焚き火台から火のついた薪を一本持ってきて、

 その子の焚き火台に入れて、薪も足してやったんだよ」

「優しいなぁ。

 で、そこでちょっとは落ち着いたん?」

「……いや、あんま変わらんかったな」

その言い方が妙に引っかかった。

「でな、まぁソロキャンだし、後は自己責任だしって思ってよ。

 “困ったことあったら声かけてくれたらいいから”って言って、

 俺は自分のサイトに戻って飯にすることにしたんだよ」

友人はそこで一度、深く息を吐いた。

「……でもな。

 戻ってからが、ちょっと……おかしかったんよ」

声のトーンが、ほんの少しだけ低くなった。

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