表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
226/280

冬のソロキャン4

「前回のキャンプはな、同じキャンプ場ばっかりでマンネリって感じになっちまってよ。

 初めて行く県外のキャンプ場にしようと思って、パッと目に付いた場所にしたんだよ」

友人はそう言いながら、ねぎまをもう一本つまんだ。

「お前、そういうとこだけ行動力あるよな。

 俺なら“パッと目に付いた場所”でキャンプしようとは思わんわ」

「いやいや、そこがええんやって。知らん場所の方がワクワクするやん」

「ワクワクで済んでたら良かったんだけどな?」

「……まぁ、そうなんよな」

友人は苦笑いしつつ、話を続けた。

「でな、遠いのもあってよ。朝早くに出て、途中で観光もして、少し遅めの到着にしてキャンプ場に着いたんだよ」

「観光してんのかよ。キャンプしに行ってんのか、遊びに行ってんのかどっちだよ」

「両方やろ。せっかく県外行くんやから楽しみたいんよ」

「はいはい」

「でな、着いたら……なんか、キャンプ場ほぼ人いなかったんだよ」

「まぁ、寒気きてたしな。あの日めっちゃ寒かったろ」

「そうそう。だから“まあ仕方ねぇか”って思って、とりあえず受付したんよ。

 そしたら“自由なんで好きなサイト使ってください”って言われてさ」

「フリーサイトか。お前、トイレ近いとこ選ぶタイプだもんな」

「そうそう。俺は車泊キャンパーやし、動線大事なんよ」

友人はそう言いながら、テーブルの端に置かれた串を一本指でコツンと転がした。

「で、とりあえずテーブルと椅子、焚き火台を用意して火起こししてよ。

 んで、ランタンやらなんやら準備して、設営完了したから晩飯の下拵えとかしてたんだよ」

「お前、下拵えって言葉似合わんな」

「うるせぇわ。料理はちゃんとするんだよ俺は」

「はいはい、天ぷら職人ね」

「いや、でもマジで天ぷらにしようと思ってたんよ。

 途中の道の駅で地のもん買ってきてたからさ。

 舞茸とか、なんかよく分からん山菜とか……ああいうの天ぷらにしたら絶対うまいやん?」

「まぁ、分かる。寒い中で揚げ物って最高だよな」

「そうそう。でな…」

友人はそこで一度言葉を切り、

ジョッキを持ち上げて、ほんの少しだけ飲んだ。

その仕草が、さっきまでの軽口とは違って見えた。

「……その下拵えしてる時にな。

 “あれ?”って思うことがあったんよ」

声のトーンが、わずかに落ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ