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冬のソロキャン3

普段の友人の感じとどこか違うことに気づいて、

俺は姿勢を少し正し、ちゃんと聞く体勢に入った。

友人はテーブルに置かれた皿の中から、

一番最初に届いた“ポテサラ”をスプーンで豪快にすくい、口に放り込んだ。

「……うん、これ当たりやな。やっぱお前、店選びだけは信用できるわ」

「“だけ”ってなんだよ。

 他は信用できねぇみたいな言い方すんな」

「いやいや、他はまあ……五分五分やろ」

「五分五分ってなんだよ。半分信用してねぇじゃん」

「半分は信用しとるってことやん。ポジティブに捉えろや」

そんな軽口を交わしながらも、

友人の表情はどこか落ち着かない。

笑ってはいるが、目の奥だけが笑っていない。

ポテサラをもう一口食べたあと、

友人は少しだけ真面目な顔になって言った。

「なぁ、お前ってさ。昔からオカルトとかホラーとか、怪奇譚とか……そういうの集めてんだろ?」

「まぁな。色々読むし、話も聞くけどよ。

 別に専門家でもなんでもねぇぞ。解決とかは無理だぞ?」

「いや、それは分かってんだけどよ」

友人はスプーンを皿に置き、

指先でテーブルを軽くトントンと叩いた。

「お前なら……なんつーか、俺が納得できる答えに近づけるんじゃねぇかなーって思ってよ」

「お前なぁ……俺をなんだと思ってんだよ。

 便利な怪談辞書じゃねぇぞ」

「いやいや、そういう意味ちゃうって。

 ただ……俺一人で考えてても、どうにも整理つかんのよ」

ちょうどそのタイミングで、焼き鳥の盛り合わせが運ばれてきた。

友人はその中から“ねぎま”を一本取り、

まるで気を紛らわせるように大きくかぶりついた。

「まぁ、俺もその手の話は好きだし、よく集めてる。

 何かしら納得できる答えにたどり着けるなら、役には立てるかもしれんけどよ」

俺がそう言うと、友人はねぎまを噛みながら、

少しだけ視線を外した。

「……どこの話なんだよ。

 また山奥のキャンプ場か?」

友人は口をもぐもぐさせたまま、

ほんの一瞬だけ、言葉を選ぶように間を置いた。

「……ああ。山っちゃ山なんだけどよ。

 いつもの場所じゃねぇんだわ」

その声のトーンが、さっきより少しだけ低かった。

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