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子供の失敗3

とりあえず、あいつの話を遮らずにゆっくり聞くことにした。

「それってさ、動物みたいに四つん這いで歩く感じか?

四足歩行的なやつ?」

少し柔らかめに聞いてみる。

あいつは電話の向こうで、困ったように息を吐いた。

「……そうやねん。

なんか、そんな感じなんよ」

声が弱い。

普段のあいつからは想像できんトーンだった。

「夜中やろ、先週くらいからそんな感じや。

最初は寝ぼけてるんかな思ったんやけどな……」

そこで一度、言葉が途切れた。

何かを思い出しているような、

言いにくいことを飲み込んでいるような沈黙。

「病院連れてっても、特に異常が見当たらん言われてな。

原因不明や言われたわ…」

「原因不明か。

まあ、子供って時々わけわからん動きするしな。

医者もそう言うんやったら、身体的な問題ではないんやろ」

あえて軽く返す。

あいつが必要以上に不安にならんように。

「……せやねんけどな」

その“けどな”の後に続く言葉を、

あいつはすぐには言わなかった。

電話越しに、

部屋の空気がじわっと重くなるのが分かる。

「んでな……そんな時にふと、お前が前に似た話してたの思い出してよ」

「ああ、あれか。

昔ちょっと話したやつな」

「そう。あれ。

悪いとは思ったけど……連絡させてもらったんや」

声の端に、

“頼るしかなかった”みたいな弱さが滲んでいた。

「ええよ。気にすんな。

とりあえず、順番に話してみ。

焦らんでええから」

そう言うと、

あいつは小さく「助かるわ」と呟いた。

その声が、

妙に疲れていた。

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