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子供の失敗1

先日、久しぶりにスマホが震えた。

画面を見ると、懐かしい名前が通知に出ていた。

最後に会ったのは、もう七年くらい前だろうか。

結婚して、子供が生まれて、忙しいのは分かっていたから、

こちらから連絡を入れることも減っていた。

たまにチャットで近況を送ってくる程度で、

向こうから連絡が来るのは本当に珍しい。

しかも、メッセージの最初の一文がこれだった。

「ちょっと相談したいことがあって」

相談。

あいつがそんな言い方をするのは、あまり記憶にない。

仕事の愚痴なら飲みの席で言うタイプだったし、

家庭のことは“まぁなんとかなるわ”で済ませるやつだった。

だから、その一文だけで、

なんとなく胸の奥がざわついた。

「どうしたんだ?」と返す。

送信してから、

既読がつくまでの間が妙に長く感じた。

昔のあいつなら、

どんなに忙しくても“とりあえず返事だけは返す”やつだった。

その癖を知っているからこそ、

この沈黙が少し気になった。

数分後、ぽつりと返事が来る。

「家のことでさ。ちょっと話したくて」

家のこと。

その言葉だけで、

なんとなく“面倒なやつだな”と察した。

「電話する?」と送ると、

すぐに既読がついて、

間髪入れずに返ってきた。

「うん。今いい?」

その“今いい?”の短さに、

言葉にできない重さが滲んでいた。

「いいよ」と返すと、

すぐに着信が鳴った。

久しぶりに聞く友人の声は、

思っていたよりも低く、

どこか疲れているように感じた。

「……あのさ、変な話なんだけど」

その言い方が、

相談というより“確認”に近かった。

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