陽の光と共に 2
車に分かれて海へ向かうことになり、
俺は一番後ろの車を運転していた。
街を抜けると、すぐに暗い山道に入った。
街灯もほとんどなくて、
ヘッドライトの光だけが細い道を照らしている。
前の車のテールランプが、
赤い点になって揺れながら遠ざかったり近づいたりする。
特に何があるわけでもないけれど、
ひとりでその光を追いかけていると、
妙に静かで、息が白く広がる音だけが車内に残った。
山を下りきると、
海の匂いがふっと窓の隙間から入り込んできた。
駐車場に着くと、
先に着いていた友達が手を振ってきた。
「おー、来た来た」
「寒っ…海の方が余計に冷えるな」
「手、もう終わってるわ俺」
そんなことを言いながら、
みんなで肩をすくめて笑った。
「どうせならさ、海岸まで降りようや。
上からより綺麗に見えるやろ」
誰かがそう言い出して、
自然とその流れになった。
「降りれるんかこれ」
「まあ、行けるやろ。5人もおるし」
「滑るなよー、絶対転ぶやつ出るぞ」
冗談を言い合いながら、
細い階段をゆっくり降りていく。
途中で、ふと足音が多い気がした。
俺たちは5人のはずなのに、
背後から聞こえる足音が、
どうもそれ以上に感じる。
でも、道が狭いし、
海に近づくほど音が反響するのはよくあることだ。
そう思って気にしないようにした。
砂浜に降りると、
すでに数人が海の方を向いて立っていた。
「考えることは同じやな」
「まあ、元旦やしな」
そう言いながら、
俺たちは少し離れた見晴らしのいい場所へ移動した。
波の音が静かに寄せては返し、
空はまだ暗いのに、
地平線のあたりだけがわずかに明るくなっていた。
そのまま日の出まで、
他愛ない話をしながら時間をつぶした。
「今年はちゃんと起きれたな」
「いや、俺まだ寝てないだけやし」
「それ言うなって」
笑い声が、
冷たい空気の中にふわっと溶けていった。




