表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/281

温泉街からの同行者6

『……なぁ、また聞こえたで。

 さっきよりハッキリや』

「いや、ほんまに俺にはなんも聞こえへんって。

 エンジン音しかせぇへん」

『いや違う。

 もう囁きとかのレベルちゃう。

 “声”や。

 女の声やと思う』

「……マジで言うてる?」

『マジや。

 お前のすぐ横で喋ってるみたいな距離や』

「やめろって……

 ほんまに怖いねんから」

高速を走る車内は、

外よりも静かで、

友人の声だけが耳に刺さる。

その瞬間だった。


左肩に、


“そっと手を置かれたような重み”が落ちた。

一瞬、心臓が跳ねた。

「……っ、ちょ、待て……今……肩……」

『どうした!?』

「今……肩に……

 手ぇ置かれたみたいな……重み……

 なんか……触られた……」

友人の声が一気に変わった。

焦りとかじゃない。

“恐怖を隠せてない声”になった。

『おい……マジで言うてるんか?

 ほんまに?』

「気のせいかもしれんけど……

 でも……今のは……」

『……っ、あかん。

 お前、ほんまに急いで帰れ。

 今すぐ。

 高速そのまま走れ。止まるな』

「なんでそんな焦ってんねん……」

『さっきからな……

 お前の声の後ろで聞こえてた“囁き”……

 今、はっきり聞こえたんや』

「……なんて?」

『分からん。

 でもな……

 “お前のすぐ耳元で喋ってる”みたいな距離やった』

「……っ……」

左肩の重みは、

気のせいと言い切れないほど“そこにある”。

『なぁ……

 今も聞こえてるで……

 ずっと……ずっと囁いてる……

 お前の声に重なるみたいに……』

「……やめろ……

 ほんまに……やめてくれ……」

『悪化してる。

 さっきよりずっと近い。

 お前の……すぐ横や。

 ほんまに“そこ”におるみたいな声や』

友人の声は震えていた。

あなたの呼吸も乱れていく。

高速の街灯が流れていくたび、

肩の重みが“少しずつ強くなっている気がした”。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ