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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第三章 ”始まりの街”
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77. 出発準備

俺達が邸に入ると、マリーとエミリーが揃って出迎えた。


「ただいま、マリー、エミリー」

「お帰りなさいませ、エル様。何ごともなくようございました」


「ただいま戻りました」

「お帰りなさいませ、アレク様、それと・・・」

「ああこいつは、セイガ。宜しく頼む」

「僕、セイガです。宜しくお願いしますね」


「あと、もう1匹」というと、ロンがポーチから顔を出した。

「キュイ」

「これがロン。これも宜しく頼む」

「キュイ」


「はい、あの・・宜しくお願いします」

「わあ、お二人とも可愛いですね。宜しくお願いします」


「で、早速なんだが春分点まであと3日だ。この3日間は準備に当てたい。いろいろ手伝って貰うことになるが」

「はい、承知しております」



取り敢えず、俺達は風呂に入ることにした。俺はロンとセイガを連れて大浴場に行く。セイガは子オオカミに戻って大はしゃぎだ。それを捕まえて頭から泡だらけにしてやった。ロンも捕まえ同じく泡だらけにし、お湯を掛けて流してやった。セイガは大きな浴槽にダイブしロンも負けじとダイブして辺りをびしゃびしゃにした。大騒ぎの入浴だったが、セイガとロンは大満足なようだ。俺は何故か相当疲れたが。


浴室を出ると、ジョンが待っていてクロックとクロムを牧場に放ったことを伝えてきた。


「ジョン、ちょっと相談があるんだが」と彼を厩に誘った。


「実は『黄金の道』へ向かうのに、馬車を利用しようと思っているんだ」

「馬車ですか」

「ああ。この荷馬車に幌をつけたいんだが3日で可能か?」

「防水用の布が必要になりますね。そういえば奥様が防水用シートを作っていらしたか。ちょっと待っててください」と裏の倉庫に行った。


「ありました。あとは幌をかける骨組みなんですが」

「それは俺が受け持つよ。じゃあ、明日から頼む」


「ジョンさん、アレクさん、お食事の用意が調いました」

「キュイ」




「俺達は『黄金の道』に馬車で行こうと思う」

夕食を取りながら俺は説明した。


「この先、宿が泊まれる保証はないし、天候だってわからない。騎馬や徒歩では荷物も限られる。全員が消耗せずに旅を続けるには馬車が一番だと思う。幸い、幌になる布も見つけたし明日、荷馬車を改造するつもりだ」


「明日以降、エル達は馬車に積み込む荷物を準備してくれ」


「わかりました」


そうして俺達は『黄金の道』に向かう準備を始めた。















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