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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第二章 因縁の双子
43/329

43.魔法使いへの道 ①

 入学式の後、1年生は各クラスごとに分かれてオリエンテーリングを行った。


 各クラス25名。教室に入ると、レイのルームメイトのジェームスが手を振って隣の席を指し示した。どうやら俺たちの席はあそこらしい。席について暫くすると、教師らしき人物が入ってきた。

 「私が君達を担当するマルセリという。君達には1年間各クラスに分かれて、午前中は教養課程を受けてもらう。専門課程は、1年生の午後、そして2年次以降に学んでもらうこととなる。今日は君達に希望する専門課程を選んでもらう。この用紙に希望する科を記入するように。あと、希望する科の人員が多すぎた場合、科に必要な能力を満たしているか測るため選抜試験を行い、能力に満たない場合には再度、希望する科を決めてもらう」と言って用紙を配りはじめた。


 「先生、希望する科の人員が満たない場合はどうなるんですか」

 「希望通りその科の生徒になってもらう」

 

 その後、レイは騎士科、ジェームスは領地経営科に決まった。


 俺は午後に選抜試験があるとのことで昼食後、試験会場へと向かった。



 会場は運動場だった。既に、ドワーフや獣人の生徒達が何人か集まっていたが、俺が行くと一斉に注目された。


「なあ、お前人間だろう?魔法使えんのか?ああ、ドワーフと同じ付与魔法を習いに来たのか」

背の高いオオカミの耳を持つ獣人が話かけてきた。


「いや、魔法全般を学びに来た」というと

「はあ?まあいいや。お手並み拝見ってところだな」と意味ありげに笑った。


 担当教師がやって来て、付与魔法のグループと魔法全般のグループを分け、魔法付与グループは担当教師に連れられてどこかにいったが、俺らはここで待たされた。


 そして学院長が現れた。

「私が魔法全般を担当するカシアスだ。これから試験を行う。まず、君達の技量を測る。隣との距離を保ち、今ここで得意な魔法をだしてみろ」


 俺はすかさず光の球を手の平の上に出した。火を出したり水を出したりした者もいたがコントロールが悪く辺りをびしょびしょにしたり、軽い火傷を負ったりしていた。中にはなかなか魔法が出せない者もいる。

「大体の技量はわかった。アレキサンダー、火傷を治せるか?」


「はい」と言って火傷を負った奴らに治癒魔法をかけた。


 みるみるうちに治っていく火傷にびっくりして手の平を握ったり、開いたりしている生徒に向かって学院長は

「見たとおりアレキサンダーは人間だが魔法が使える。今後3年間同じ魔法科の生徒として仲良くしてやってくれ」

「はい!」と言って彼らは尻尾をブンブン振って俺を取り囲んだ。


「お前、すげえな。俺、治癒魔法初めて見た」

「俺も。あ、俺はデレクっていうんだ。よろしくな」

「俺はギレン。こいつはバレン」

と次々に仲間を紹介していった。なんか大型犬に懐かれたみたいだ。


 「大丈夫みたいだな。ここにいる者は全員合格だ。明日から授業を始めるから午後になったら魔法科の教室にくるように」と言い置いて学院長は去って行った。


 俺が興奮する大型犬どもに取り囲まれて帰ってきたのはいうまでもない。


 後でこっそり学院長になんで治癒魔法を使わせたのか聞いたのだが

「君は、光魔法を得意とするようだったし光魔法の術者は治癒魔法が得意だ。変に攻撃魔法で彼らを刺激するより、彼らの使えぬ治癒魔法で彼らの心を掴んだ方がいいと思った」とのことだった。


 明日から魔法科の授業、どうなることやら・・・・







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