表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第二章 因縁の双子
41/329

41. ズデーデン王立学院 ⑤

 翌朝、朝早く起きた俺はホテルの中庭で素振りの稽古をしていた。高まる期待に気持ちが抑えられなかったからだ。

 

 「朝から精が出ますね、殿下」

 「おはよう、キース。なんだか落ち着かなくて」 


 「学院に行った後、殿下にはクラス分けの試験を受けて頂きます。その後、寮に入って頂きますが、護衛騎士は2名のみ、私とゴーシュが残り、後は帰国させます。身の回りのことは学院が用意したメイドに任せ ることとなります」


 「そう、わかった。騎士達にはありがとうと伝えておいてくれ」


 ズデーデン王立学院は険しい山の狭間にある丘の上に立っていた。

 

 俺は驚愕で開いた口が塞がらなかった。それは俺がかつて観たことのある映画のホグワーツ魔法学院にそっくりだったからだ。

 口を開けたまま周囲を見渡していると、学院の指導教官がきて試験会場へ案内された。


 中には30人程の生徒が着席しており試験開始を待っていた。レイは別の教室に案内されており、お互いの健闘を祈ってそれぞれ別れた。


試験は午前中を使って行われ、午後にはクラスが判明する。


 俺は問題なく出来た・・・と思う。試験終了まではかなり時間が余った。


 その時間、一昨日の王城での国王との面談を思い出していた。



 晩餐会の後、クリミア国王に秘密裡の面談を申し込んだ。暫くして侍従が呼びに来て、談話室へ通された。

「急な面談の要請に対しお受け頂き感謝します」

「秘密裡にとのことだったな。皆、席を外せ」と人払いをしてくれた。


「実は、私はズデーデン王立学院で魔法を学びたいと思っております」

「ほう。君は魔法が使えるのか?」

「多少ですが使えます。でもこれは私の護衛騎士であるキース以外誰も知りません」


「何か訳がありそうだな」

「王家に生まれた双子の話を先程致しましたが、双子の銀髪の方は皆若くして亡くなっているのです。私も10歳で落馬で死にかけました。目覚めた時に自分が魔法を使える事が分かったのです。それからはこのことを秘密とし、自分なりに魔法を訓練しておりました。何故、秘密にしたかというと『知られたらまずいことになる』という直感です。何故、銀髪の方が二十歳までに亡くなっているのか。このことに関係しているのではと思い到りました」


俺は一旦話を区切った。

「それで自分の身を守るため、海外へ出、尚且つ魔法の腕を上げて何らかの意図に対抗しようと思い、各国の学院を調べたところ、ズデーデン王立学院に魔法科があると知り、こちらに参りました」


「なるほどな。実は我が王家の者も若干魔法が使える。魔法が使える獣人族を従えているのはそう言う理由だ。君の髪色とアイスブルーの瞳は我が王家の色と同じ。魔法が使えるのも、そこになんらかの理由があるのかもしれん」 


「君の言いたいことはわかった。君が魔法を学ぶことは国元には知らせないようにしよう」


「ありがとうございます」


そんな事をつらつら思い出していると、試験終了の合図がなった。


さて、どんなクラスになるのかな。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ