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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第十三章 移民開始

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402/411

402. 春が来た 

春分点の騒ぎも収束し、また、イスタファンの民400名も割り当てられた領地へと向かった。新生ユークリッド王国は春を迎えている。驚いたことに荒れ地だった所に草が芽吹き始めた。雪解けと共に青い絨毯が各地で敷き詰められた。



「アレク様、良いお知らせです。荒野が緑の絨毯に覆われています。いやあ、昨秋の魔石を撒いたのが良かったんですね。これで山羊や羊を飼えます。畑の方もこの分なら収穫が見込めるでしょう」


州知事になったタンガが久しぶりにアレクの執務室に現れて言った。


「そうか。魔石を撒いたせいで土地に力が戻ったんだな。イスタファン、お前の民は牧畜を生業にしていた者が多かったな。お前の民が入植した土地を見てきてくれないか。出来ればあの辺りを牧畜の一大生産地にしたいと思っているんだが」

「分かりました。すぐに見て参ります。結果に寄っては王都から家畜の移動をお願いする事になりますが」

「分かった。すぐ移動できるよう手配する」


「じゃあ、僕達は他の土地の様子を見てくるよ。ロン、手分けしよう」

セイガとロンが急いで部屋を出て行った。


「いよいよ国が動き出しましたね。この国に来て、荒れ果てた土地を見たときはどうなるかと心配しましたが土地が生き返ってくれればなんとかなります」

「そうだな。ところでお前の所は、学園に入るものはどれ位だ?」

「10名です。こちらにはその引率でやって来ました。皆、魔力はある子達です。今は王都の宿屋に待機させています」

「そうか。来週には開校するから基礎学力は付けさせておけ。読み書きが出来なければ学園には入れないぞ」

「えっ、試験でもあるのですか」

「ああ。能力別に専門性のある科に分かれる。魔法科、医療科、商業科、法務科、技能科、農業科だ。そこに漏れた者は一般科だ」

「宿に帰り、子供達の適性と希望をもう一度検討します。騎士科はないんですか」

「ああそれは一般科から、希望者を募ろうと思っている。希望者が多かった場合は騎士科も作ろう」

「成程、まずは学力優先なのですね。分かりました。子供達に希望を聞いてみましょう」


タンガがあたふたと執務室を出て行ったあと、アレクはエルに会いに正教会へ向かった。


「エル、今、大丈夫か?」

「ああ、アレク、どうしたの?」

「君に頼んでいた初等教育のことなんだが・・」

「今、その準備で忙しいのよ。街だけでなく、各村でも子供達に教えるってことだけど、各村に教会を建てるってことでいいのよね」

「ああ」

「今、急ピッチで建ててるわ。教えるのは読み書きと簡単な計算でいいのね」

「ああ。学園に入る前段階ってことで。だが、もし優秀な子供がいたらその子は学園に優先的に入れたい」

「分かったわ。あとアレク、石版が全然足りないの。優先的に廻してくれない?」

「石版か。商業ギルドに聞いてみよう」


お茶をする暇もなくアレクは商業ギルドへと飛んだ。まだまだ目の回る忙しさは続きそうだ。







暫くお休みをしてすみませんでした。

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