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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第二章 因縁の双子
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40. ズデーデン王立学院 ④

 馬車に揺られて3日目、一行は王都カルアについた。  

 俺は大量のクッションとレイのお陰で何とかこの苦行を乗り切った。


 カルアは石造りの重厚な街で、流石北の大国と思わせる雰囲気をもっっている。

 この都は、7つの小高い丘に囲まれていて、それぞれに王城、行政府、軍隊(2カ所)、貴族院、離宮、研究所と役割の異なる施設が置かれていた。

 特に王城は雄大で、街からはどこにいてもその姿を目にすることができた。


 王城に着いてすぐ国王から謁見するとの申し出を受け、侍従について謁見室へ向かう。


「遠路はるばるこのズデーデンへようこそお越し下された。私がクリミア・ウラジミール・ズデーデン、この国の王をしている」


「拝謁を栄を賜り感謝しております。私がシュトラウス王国第二王子アレキサンダー・ケン・シュトラウスでございます。この度はズデーデン王立学院への留学を許可して頂き誠にありがとうございます」


「いや、若いうちに見聞を広げることは良いことだ。王立学院にて見聞を広め両国の友好の礎となってもらいたい。ところで、そなたの髪色と瞳はいささかシュトラウス王家のものとことなるようだが」


「はい、時折我が王家には双子が生まれます。不思議なことに髪色が金・銀と必ず異なった髪色で生まれてくるのです。かくゆう、私の兄、王太子は髪色は金髪になります」


「さようであったか。アレキサンダー殿の髪色は我が王家の色に近いので親しみを感じてな」


「ありがとうございます」


「今の時期、王族の者は誰も学院に通っておらず友誼を結ぶことはかなわぬが、2年後には我が王太子が入学する。そのときは宜しく頼む」


「御意」


 


 その後、城で晩餐会が行われ王族、各大臣、有力貴族等が紹介され、つつがなく会は終了した。



「ふう、疲れたあ。明日はやっとズデーデンだね」

「お疲れ様でした、殿下。明日は王都を出たらかなり険しい山道に入りますが騎乗されますか」

「もちろん、あっレイにも伝えてね」

「かしこまりました」

「あと、お付きの者達はここでお別れとなります。私達護衛とレイ様のみでキシュに向かいます」

「そう、彼らにも大変な旅をここまでありがとうと労ってあげて」


 翌早朝、王都カルアを発ち一行はズデーデン王立学院のあるキシュの街を目指した。


 

 山あいを抜けるキシュへの道は春まだ浅いためか、所々残雪が残っていた。道を登っていくごとに空気が澄んで身が洗われるようだった。春の訪れを喜ぶかのような小鳥の囀りや、時折みせる小動物の姿に目を和ませながら一行は進んでいき、キシュに着いたのは午後遅い時間だった。


 「今日はここで1泊し、明日、学院に向かいます」

 「明日はいよいよズデーデン王立学院にはいるんだね。今から楽しみだ」








やっと王立学院に着きました。次回からは学院の様子をお届けします。

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