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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第十三章 移民開始

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398/411

398. 昼食会

「お初にお目に掛かります、聖女エル様。私はセルア王国王太子セオドア・フォン・セルアと申します。ヴィルヘルム殿下の伯父にあたります。そしてこちらがカラール帝国第十八王子イスタファン殿下です。故あって、我が国に亡命いたしております」


エルはその紅い目をイスタファンに向けた。

「カラール帝国?それではサイード殿下の・・・」


「はい。兄をご存知ですか?行方知れずとなって久しいのですが」

「ええ。でも話が長くなりますので関係者が戻ってからお話いたします」


エルは目を伏せ俯いてしまった。それを見たイスタファンはこの人は美しいと思った。


「伯父上、ここにいるのが医療大臣をしているウィルです。見た目は若いですが、彼は500歳を超えています。実は、彼は私を助け出してくれたヴァンパイアで昔はマルタ司教と言ってました。エルさんのお陰で普通の生活が出来るようになりました。いけない、話が長くなりました。さあ伯父上、中へどうぞ。伯父上達もきっとお腹をすかせていると思って昼食をご用意しました」


ヴィルヘルムは率先して前を歩き彼らを城の中へ案内した。


「ここが食堂です。ああ皆いいから食べていて」


何人かの者が食事をしていたが、ウィルヘルムが現れると一斉に立ち上がり跪いた。


ウィルヘルム達は食堂を横切り、奥にある扉を開く。そこには10人程が座れるテーブルがあった。


「ここが王族と関係者が食べるダイニングです」


テーブルの上には食事の準備がなされている。皆、それぞれの席に座った。


ウィルヘルムが鐘をならすと、ワゴンが入ってきて次々に食器が並べられ、良い匂いのするスープが盛られパンが置かれた。イスタファンは目を見開いた。


「これは・・」


「これは『カレー』というものです。忙しいアレクに頼んで作って貰いました。とっても美味しいんですよ。僕のお気に入りです」


ーーーやはりアレキサンダー王子は転生者か。会うのが楽しみだ。


「さあ、食べましょう。お代わり自由です。うん、やっぱりアレクのカレーは最高に美味しい」


食後にデザートとこちらでは珍しいコーヒーを飲んで昼食会はお開きになった。


セオドアとイスタファンそれぞれに客間が割り当てられた。イスタファンは部屋に入らず案内した侍従に声をかけた。


「アレキサンダー殿下はいつお戻りになる」


侍従は首を傾げ、「申し訳ございませんがお答えいたしかねます。余りにもお忙しい時期ですのでなんとも」

「そうか。悪かったな」


侍従は一通り部屋を案内した後、出て行った。侍従が出たすぐ後、イスタファンは隣の部屋のセオドアを訪ねた。


「どうしたイスタファン。何だか落ち着かなそうだな」

「ええ。そりゃあもう、落ち着かないですよ。以前にした話を覚えていますか。僕が前世の記憶持ちだったって話。今日、食べたカレー。あれはまさに前世の世界で日常に食べられていた物です。アレキサンダー王子はやはり前の世界から来た人なんだ」

「なんだって、本当なのか?お前の記憶って奴には何回も驚かされたが彼もまたそうだったなんてな。だけどお前、興奮しすぎだぞ。ちょっと頭を冷やせ」

「分かってますよ。でも興奮せずにはいられないでしょ」


結局彼らがアレクに会ったのは、それから2日たった夜だった。






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