395. 新生ユークリッド王国へ ②
移民希望者達が新生ユークリッド王国へ辿り着いたのは、それから1週間後だった。
国境の城門前には、いくつもの机が並べられている。そこで行く先を選別されることになっていた。人々は自分の職業が書いた机の前に長い列を作っている。
「セイガ、状況はどうだ?」
「うん、今のところうまく廻っているみたい」
移民達は己の職業の机に行き、家族でまとめて国王への宣誓書と国に対する誓約書にサインする。字の書けない者は母音を押して貰う。次に行き先の書いたくじを引いて貰い、行き先が決定した者からその街へ行く馬車へ乗って貰う。という流れで、移民を各街へと選別していった。馬車が一杯になると、出発してゆき、また新しい馬車が配備される。と言う具合に次々と移民達が捌けていく。
「はあ、何とかなったな」
「僕らはいいけど、今度は街が大変だ」
「まあ、暫くはしょうがないだろう」
「ところで、特殊技能持ちの人は取敢えず王都に滞在してもらうことにしたから」
「分かった、彼らはどこにいる?」
「こっちに来て」
セイガは並んでいる人々を避けて列の後方へ向かった。
「アレク!こっちこっち!」
自分を手招きしている人を良く見ると、それはララだった。
「すごい人ね。こんなに移民希望者がいるなんて驚いたわ」
「よく来た、ララ。君達ドワーフには特別な自治区を用意した。もし、そこが嫌ならすぐ言ってほしい」
「まあ、その土地の地質を見なければ分からないんだけどね。取敢えず、用意してくれた土地に行ってみるわ」
「そうか。で最終的にはどれ位来てくれたんだ?」
「全部で6家族とフリーで30人程。でもこちらの暮らしが良かったらもっと増える予定」
「増えてくれることを祈るよ。早速仕事で悪いのだが、鋤、鍬などの農業用具が絶対的に足りない。あと包丁やはさみなどの家庭用品もだ。大急ぎで生産してくれないか」
「分かったわ。着いたらすぐ仕事を始めるようにする」
「恩に着るよ」
「お話中悪いんだけど、特殊技能持ちの集団があそこにいるんだ。アレク、一緒に来てくれないか」
セイガが向かった先には一塊の集団がいた。何人かで聞き取りを行っている。
「こっちが大工。そして家具職人。あそこにいるのが服飾裁断、その横に皮革職人、金属細工職人」
「結構いるな。人数を確認して各街へ配分するようにしよう。それまでは王都に留まって貰ってくれ」
「それからあっちが、薬師と医師。その隣にいるのが測量士。そして弁護士と文官希望者」
「ありがたいな。彼らも後で配分することにしよう」
そして更に後方を見るとそこにはオオカミ獣人の一群れがいた。
「彼らは僕に任せてくれる?彼らは市中警備の仕事に就けようと思うんだけど」
「分かった。宜しく頼む」
こうして朝早くから沸いた入国ラッシュは夕方頃までは落ち着きを見せていた。アレク達は総出で特殊技能者達の選別を行わなければならない。まだまだ仕事は山積みである。
そんな時、セルア王国から2人の客人が訪れたのだった。




