表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第二章 因縁の双子
36/329

36. 王家の秘密

 俺には隠さなければならない秘密がもう1つあった。それは魔法が使えるということだ。


 この世界では基本的に人間は魔法を使えないということになっているらしい。その代わり、魔石を利用して魔法のような効果を引き出しているという。

 でもそれってある意味、魔法を使っていることになるんじゃないかと思った。


 そこで最初に魔石を使い出した人物を調べてみたら驚いた。

 この国の初代国王ケン・サクライだった。

 あまりにもびっくりしてあやうくお茶をふいて汚してしまうところだった。

 まじか。しかも俺と1字違い。こいつぜってー日本からの転生者だと確信した。


 文献によると彼自身は卓越した魔法使いだったそうだ。その彼が魔法を使えない人間達のために魔石を利用するという画期的な方法を編み出したらしい。その後、彼は魔石をつかった様々な魔導具を発明しこの国の発展に大いに貢献したとのことだった。そして彼は神となり、神殿の奥深くで眠りについたとある。


  彼には子がなかったため、養子のオットーが後を引き継いだ。今の王家はこのオットーの血筋だ。

 かつて何回か金銀の髪を持った双子が生まれている。だが全て、金髪が王位につき銀髪はある年齢になると姿を消している。なんだろう。暗殺か。


 ともかく俺はその年齢になるまで剣の腕と魔法を上達することにした。

 ーーー魔法は秘密裡にね。



 

 時は流れ、俺は14歳となった。


「父上、貴重なお時間を頂きありがとうございます」 

「うむ。何かあったのか」

「実は来年、王都の学院への入学のことでご相談に上がりました」

「何か支障があるのか」

「私は北の大国ズデーデンの王立学院に留学することを望みます」

「王太子か」国王は苦い顔をして言った。

ーーーこの頃王太子は俺を完全に敵視しており、会えば必ず嫌味を言われていた。


「ズデーデン王国は多民族国家であり、獣人やドワーフなどもいると聞いています。いろいろ見聞を広めるには絶好の機会と思っております。それに王都の学院に私が進めば、兄上のご負担も増えるのではと推察いたします。無用な争いを避けるためにも是非、私の留学を許可して頂きたく」

「考えておく」


 そして俺はズデーデン王立学院への留学が決まった。

 

 もちろん、諸手を挙げて喜んだのはいうまでもない。


 これでやっとスペアの重責から解放される。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ